- 75 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:35:59 ID:cYMxccUz0
-
>>74
乙であります。
もう日付変わっちゃったけど、せっかく書いたので桃香する
- 76 名前:ばれんたいん・ぱにっく 1/5[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:39:00 ID:cYMxccUz0
-
警邏の報告書を書き上げていた俺は、何とはなしに書いた日付に思わず呟いていた。
「あ、そっか。明日はバレンタインかぁ」
「ばれん……それは何ですか、隊長?」
作業報告に来ていた3人娘のうち、凪が耳慣れない言葉に反応した。真桜と沙和も凪の言葉に頷く。
「ああ、いや……俺の居た世界じゃな、明日は1年に1度のイベント……お祭みたいなのがあるんだよ」
「祭かぁ……楽しそうやなぁ。んで、隊長。その祭では何を祝うん?」
「祝うっていうか……うーん、そうだな。その日は女性が好きな男性に食べ物なんかを
贈って告白する日……って言えばいいのかなぁ」
上手いこと説明できない。第一、肝心のチョコがない。そもそも元の世界じゃとんと縁の無かったイベントだもんな。
「……っ! こ、告白……ですか?」
「ね、たいちょ……その日に告白すると何かいいことでもあるのー?」
「贈るものって食べ物やないとアカンの?」
3人は興味が出たのか、前のめりで俺に疑問をぶつけてくる。
「いいことっていうか、きっかけ……かなぁ。1年に1回しかないんだし、覚悟しやすいんじゃない?
あ、一般的にはチョコ……食べ物だけど、別に食べ物だけじゃなくてもいいみたい」
「な……なるほど。確かに受け取る側にしたら言葉がなくとも意味は通じますね」
感心したのか、凄く納得したように何度も頷く凪。
「食べ物だけやなくてもええんか。んっふっふ〜♪」
真桜も納得したようだけど、何やら良からぬことをたくらんでない?
「ま、まぁ……それは俺の居た世界での話だから。こっちでそんなことやっても誰も知らないわけだし、
聞いたところで意味のない話だよな」
何だか危険な空気を察知したので、話を打ち切っておく。
「えー、面白そうなの話なのにー。もっと聞かせてなのー」
「ぶーぶー」
「あ、わわっ、隊長!?」
「とにかく今日の報告は聞いたよ。お疲れさん」
まだ聞きたそうな3人の背中を押して部屋から追い出す。これ以上話を続けたら、ホワイトデーの
話までさせられかねん。倍返しなんて知ったら……。
「ぶるぶるっ……さて、報告書をはやいとこ書き上げないとな……」
- 77 名前:ばれんたいん・ぱにっく 2/5[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:42:07 ID:cYMxccUz0
-
「もう、隊長ってば強引なのー」
「だが隊長が仰るように、この祭自体誰も知らないのでは聞いても仕方ない」
「せやけど、誰も知らない言うても、ウチらの贈る相手はバッチリ知っとるわけやんか」
「た……確かに」
「せやから贈り物しても意味はあるわけや」
「沙和も隊長に贈り物するのー」
「わ、私だって隊長には……ひ、日頃からお世話になってるわけだし、その……」
「あはは、凪ちゃんってば顔真っ赤なのー♪」
「………………」
「ちょ、ななな凪!? 無言で手に氣ぃ集めんといて!」
「なな、凪ちゃん!? ほ、ほら、ここでソレは隊長にバレちゃうなのー」
「…………(ギロッ)」
「わわ、わかってるの! 沙和もうからかったりしない……の」
「……わかればよろしい」
「とにかく。ウチらは明日隊長に贈り物をして喜ばせる」
「それで、感激した隊長が優しく囁くのー『真桜、こんなにも俺のことを……ぶちゅー』」
「『ああん隊長めっちゃ口づけ上手いわぁ、贈り物と一緒にウチも食べてぇ』」
「……あなた達、ここで何してるの?」
「何ってそりゃ明日のお祭が上手くいった後のやな……って!?」
「か、華琳様……」
「お祭? 秋蘭、明日は城下でお祭なんてあったかしら?」
「いえ、特にそういった話は聞いておりませんが」
「あ、あの、その……えっと(真桜ちゃん、どうしよう〜?)」
「(こんなん隠してるのがバレたら……アカン、黙ってるのは無理や)じ、実はですね……」
- 78 名前:ばれんたいん・ぱにっく 3/5[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:45:11 ID:cYMxccUz0
-
「へぇ……一刀の居た世界ではそんなお祭があるのね」
「しゅ、秋蘭……明日料理とかしてみる気はないか?」
「ふふ、姉者も明日贈る気なのか」
「ち、違うぞ秋蘭! 私は別に北郷などに告白する気など……」
「姉者、私は相手が北郷などと一言も言ってないぞ? ふふ、そうか、北郷に告白するのか」
「しゅ、秋蘭〜〜」
「なかなか面白そうね、秋蘭」
「はっ」
「一刀の関係者各位にこのことを伝えなさい。勿論、一刀には内緒よ」
「御意」
「ふふふ、明日が楽しみだわ……やはりこういうことは公平に為すべきね」
- 79 名前:ばれんたいん・ぱにっく 4/5[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:48:34 ID:cYMxccUz0
-
朝だ。今日は世が世ならバレンタインデーとかいうイベントで、男の勝ち組と負け組が真っ二つに分かれる悪夢のイベントである。
自慢じゃないが、元の世界じゃ勝ち組だったことはない。
ま、まぁこの世界じゃどっちみ関係のないことだ。さて、今日も仕事だ、早く起きないと……?
「なんか身体が重いな……起こせない」
「……それはいけませんねー、もうちょっと寝てませんと」
「…………っ!?」
返ってくるはずのない独り言の返事に驚くと……俺の胸元に居座る気ままな猫が丸くなっていた。
「風か……どうしたんだ?」
「おうおう、会っていきなりそれかい。随分とご挨拶じゃねぇか」
「それもそうか……おはよう風」
「はい、おはようございます……それにしても、お兄さんは朝から元気いっぱいですねー」
「どっちに挨拶してるんだよ」
風はわざわざ俺に背を向けて朝イチで起こる生理現象状態のソレに向かって頭を下げる。
「それにだな、これは生理現象ってやつで……ってそんなことより、風がこのままじゃ俺が起きれないんだが」
「ふむふむ、お兄さんは風を使って鎮めろと仰るのですね。さすがは魏の種馬、朝から抜かりありません」
「だからそれは生理現象! そのうち治まるって……」
「それとも何ですか。お兄さんは朝這いをかけた相手を袖にするような人ですか。
何度も言うように風はそういった趣味はないのですよー」
ぷう、と頬を膨らませている風を思わず二度見してしまった。
「ええ!? ……そ、それって」
思わず生唾をごくり。思ったよりも大きな音を立てた気がして、胸がドキドキする。
「……ぐー」
「そこで寝るのか!」
「……おお? 盛りのついた獣の目をしたお兄さんを見たら、つい防衛本能が働いて寝たフリをしてしまいました」
「それを言うなら死んだフリじゃないのか。っていうか獣は酷いな」
「ついでと言ってはなんですが、お兄さん宛の伝言も思い出しました」
「それが目的で来たんじゃないの!?」
「ダメですよー。伝言は朝這いが終わってからと決まってるのですー」
頬を染めながらもさらっと言ってのける風があまりにも可愛らしくて、俺は彼女の
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
 ̄ ̄
- 80 名前:ばれんたいん・ぱにっく 5/5[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:51:47 ID:cYMxccUz0
-
「……つまり、俺は今日休んでいいってこと?」
朝から濃厚な情事を終え、上気した顔の風から伝言を聞く。
「はいー。華琳様から直々の命令ですから、お兄さんは今日一日全力で休みを満喫する義務があるのです」
「そうだな、せっかくの休みだ。全力で満喫させて貰うよ」
俺の腕を枕に気持ちよさそうに目を細める風にもう一度キスをしようと首を向けたその時、
「この忙しい時期にお休みするのですから、お兄さんもせいぜい覚悟しておいてくださいねー」
少し意地の悪い笑みを浮かべた風は、俺のキスをいなし、
「ふふ……ちゅっ」
逆にキスされてしまった。
せいぜい覚悟……風の言った言葉の真意はすぐに理解できた。
3人の誰かが言ったのだろうか、今日がバレンタインデーであることを。
女の子からプレゼントを貰えるのは凄く嬉しいことなんだけど……。
さ、さすがにあれだけの量の菓子や料理を食べるのは辛かった。
それに、やっぱりお礼はしないといけないよなぁ……うう、足りるか、俺の財布!?
色んな意味で重い足取りで自分の部屋に帰った俺を待っていたのは……。
「あら、早かったわね。もっとゲッソリして帰ってくるかと思ってたけれど」
「か、華琳……」
ベッドに腰掛けてにこやかに微笑むのは、この城の主曹孟徳その人だった。
「今日はあなたの世界では特別なお祭だそうね。女性が男性に食べ物を贈る日だとか」
「真桜たちに聞いたのか……そうだよ」
「それなら私からのあなたに贈り物をする必要があるわね。私だって女性ですもの」
「え、いや、その……俺もう何も」
「ふう……そうだろうと思ったわ。でも安心なさい……あなたが食べるのは」
言ってその場で服を脱ぎ出す華琳。って、食べるのはそっちの意味ですか!?
服を脱いだ華琳は一糸まとわぬ……あれ? ボンテージ姿?
ていうかその右手にしてるうねうねと動くソレはなんですか。
「私を食べて……なんて言ってもいいのだけれど、私を贈り物にしたら国もあげないとダメじゃない。
あなたに国を預けるわけにはいかないのだから、一刀はこれで我慢さないね」
「アッー!」
- 81 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/15(日) 00:54:53 ID:cYMxccUz0
-
えー、お目汚し失礼しました。以上で御座います。
エロシーン逃げた上に酷いオチで申し訳ありません。
ダラダラ書いてるウチに日付が変わってしまったので、
本当なら他の面々の贈り物についても書きたかったんですが、断念しましたorz