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273 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2011/02/07(月) 12:29:00 ID:ikrGBSsoO
「にゃー(たまにはシンプルに12桃香です)」
「ただ単にネタが無いが書く気力が無いのか…」
「・・・」
274 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:31:34 ID:ikrGBSsoO
孫呉、江東の地を訪れ早二ヶ月。
連日会議が重なる、ここぞとばかり全ての天の知識を吸い尽くされる勢いで…基本的には内政に軍備増強と任される事案は治水工事への労働力不足の解消・城下の警備のノウハウ・街の区画整理等々の立案、等々。
なかなか忙しかった内政の仕事が約一ヶ月前の大規模な黄巾残党討伐後、忙しくなった。
以前とは真逆に蓮華がなにかと一刀の下にやって来る様になる、だが真面目すぎる蓮華は未だに“用も無いのに訪れる”とは出来ずに何かしら仕事を理由に一刀の下に訪れた。
寄って仕事の量が爆発的に増えたのだった。
雪蓮曰く、
「仕事の量が蓮華の愛の深さと思ってありがたくこなしなさい」とのこと。
勿論、一刀はありがたく甘んじて受託しているが、それとは別にどうしても小蓮が絡むと波乱と云うか修羅場と化してしまう。
「一刀♪丁度良い所に、訊ねたいことが有るの…」
本当は待ち構えていた蓮華だが既にそんなことはどうでもよくなっている彼女で有った。
「カ〜ズト♪」
ピクッ!
甘い小悪魔的な声に一刀より先に蓮華が反応する。
「シャオ、一刀は今仕事をしているの。あなたの個人的な用は後になさい」
275 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:33:41 ID:ikrGBSsoO
「お姉ちゃん、古〜い」
「なっ!」
「シャオは仕事が理由に無いと会えないお姉ちゃんと違うの」
図星を指され微かに震えている蓮華。
蓮華が劣勢である、とそんな時。
チリ〜ン、チリ〜ン…
と、どこからともかく鈴の音が、この時の一刀には某必○仕○人のトランペットと同等の意味に聞こえた。
それは死を意味している。
震えながら考え『つまりは蓮華に味方しろ』と結論付ける。
震える一刀を後目に一番始めに行動に出たのは蓮華だった。
「フフッ、シャオにはシャオの接し方が有るように、私には私の接し方が有るのよ」
姉の性格からして想像出来なかった反撃に暫し呆然とした小蓮だが、そこはかの孫家の者として血が引くことを許さなかった。
「でもシャオは孫家のお姫様だし、いずれは政略結婚の可能性大なのよお姉ちゃん。結婚さえしちゃえば後は事実構成で問題なし」
シャオのあまりに強気の態度に一瞬怯みかけるも蓮華はあの台詞を信じて言葉を話す。
「一刀はシャオでも私でも、恐らく雪蓮お姉様でも一人では身に余るわ。本当は嫌だけど誰か一人が一刀を一人独り占めなんて出来ないのよ(それにあの時、私を守ってくれると約束してくれた)」
276 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:35:29 ID:ikrGBSsoO
あの時のことを具体的に思い出したのか蓮華の顔がみるみるうちに紅くなっていく。
「あ〜、お姉ちゃんが紅くなってる・・・なんかムカつくんですけど」
そんな小蓮の態度など大人の対応でサラリと流す蓮華。
「ほら、シャオ。まだ一刀は仕事中なのよ、せめて仕事が終わってからにしなさい。じゃあ私は行くから一刀もお仕事頑張ってね」
母性愛に溢れた蓮華の新しい魅力を見せつけられは一刀は小蓮の問いに生返事しか出来ず、その後物理的に酷い目に遭うのだった。
そしてここにも一人、血統書付きの忠犬が新たな決意をしたのだった。
『…一刀、殺す!!…』
と。
◇ ◇ ◇
この日も会議から一日の仕事が始まった。
冒頭に穏の口から出された問題を一刀が聞き返す。
「徴兵が思いのほか上手くいかない?」
「そうなんですよ〜」
「なんで?」
と、一刀は素直に疑問を口にしてみた。
「まだ予想の域を出てませんが、袁術さんの置き土産なんですかね?我が儘な内政で、どん底な状況ではないにしろ決して生活も楽じゃない。大した娯楽も無く人心は荒れ果て、皆さんやや自暴自棄?
 とでも言えばよろしいんでしょうか。先祖伝来の自分達の土地を守るって認識がかなり薄れてるんですよ〜」
277 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:38:37 ID:ikrGBSsoO
「ふ〜ん、そうなんだ〜」
「雪蓮さま〜。ご自分の国ことなんですよ、そんな他人事みたいに言わないでください〜。兵士がいなければ戦もまま成らないんですよ」
「その時は私一人で相手の大将首捕ってくるから問題無しね」
どこまで本気なのか?と考えた一刀だったが、相手が雪蓮だったと思い出し全力で全部が本気なんだなと結論付けた。
もう一人も雪蓮の言葉が全て本気と解っている冥琳もこれまた本気で『却下だ』と反対した。
「処でさ、徴兵と言えば曹操の所っておかしくない?」
「何がだ?雪蓮」
「黄巾党の戦い最中もそうだったけど、かなりの連戦してしているわよね?反董卓連合の時でもそれなりの数を出し、その後の周辺の弱小勢力は同時進行で武力制圧。
 今回の官渡の戦いだってなんだかんだ言って許昌に守りの兵を残した、そして袁紹軍相手に決して少なくはない被害を受けてる。そりゃ戦に勝てば領土が増え、兵士が増えるのは道理だけど、
 徴兵の人数おかしくない?無理な徴兵は民の反感を買う筈なのにそんな兆候はまるで無し、ましてや間諜の情報だとまた戦の準備してるそうじゃない」
その時、一刀にある光景が浮かび上がった。
そして『ああ、恐らくあれだな?』とある三人の姉妹を思い出してた。
278 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:42:34 ID:ikrGBSsoO
「一刀はなにかは解ったの?」
「大体ね…黄巾党って覚えてる?」
「忘れろって言われても無理よ、あの大規模な盗賊集団」
「まあ、それは大半が便乗した元々盗賊団なんだよ、その中心部の本当の正体は三人の歌の旅芸人とファン…いや、追っかけの人達なんだよ」
「なんと…」
衝撃的な事実だったのだろう、言葉を失う孫呉の将官達。
「ですがそれと徴兵になんの関係が?」
未だに徴兵との関係が見いだせない明命が質問してきた。
「曹操は張角達は自らの焼身自決の為、遺体の回収に失敗したと発表したけど恐らくはそれは嘘。頭三人の姉妹を延命等、幾つかを条件に味方に引き込んでるはず」
「なんと…」
再び驚いている孫呉の人達。
だがやはり未だ、三人と黄巾党と徴兵が結び着かない。
その空気に気付いた一刀は答え合わせに入る。
「彼女達の追っ掛けって良くも悪くも彼女達の影響を受けすぎるんだよ。それを利用した方法が多分これだと思う。先ずは舞台を開いて予め会場周囲に徴兵の宣伝紙等を貼ったり軍隊への勧誘員を放ち勧誘する。
 『体を鍛えられ強くなれる軍隊に入りませんか?』なんて辺りを吹き込みながら。次に、舞台の最中でお喋りの時にでも彼女達に『私、強い男の人が好きなの♪』とか言わせれば」
279 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:44:29 ID:ikrGBSsoO
「なるほどな、強い男と兵士の印象が単純に結び付いて、彼女達に好かれたい彼等は兵士として志願する…」
「そんな所だと思う」
と正解者の冥琳と喋りながらも、この世界だと俺が華琳の所に居ないからそこそこ効率悪いんだろうな〜、などと考え。
更に、
「(はてさて、誰があの三人、特に上二人のじゃじゃ馬達を手懐けているのやら)」
と、以前の彼女達の面倒を思い出しほくそ笑んだ。
正にその時。
ピコーン!と、なにかを閃いたのか明るい顔に変化した一刀。
「こっちも曹操の処見習ってさ、天の国で云うアイドルを真似しよう。曹操の徴兵活動妨害と民への娯楽提供、さらにはこっちの徴兵活動もしちゃえば一挙両得、いや一石三鳥だ」
「えっ!」
一同驚きの声を上げた、驚いた意味は人それぞれで違うのだろが驚かせた当人はお構いなしに話を進めている。
「明命って歌は得意?」
「・・・え?・・・ハイ?…いいえ!!このハイは決して得意ですって意味でのハイではなく、けれど全く興味が無いと云う訳でも…ハッ!私は何を言って!?・・・あうっ〜」
突如として話を振られた明命は軽いパニック状態に陥っていた、どうしたら良いのか解らずに半ベソ状態になる。
280 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:46:17 ID:ikrGBSsoO
パニック中の明命の両肩を一刀ががっしりと掴んだ後、正面から見つめる。
すると驚き過ぎたのか逆に冷静に成った明命。
「明命。この活動は特に徴兵妨害活動は、基本的に敵地にて単独での歌や踊りで魅了する活動なんだ。普段から単独で敵地深く侵入出来て隠密行動に基づく神出鬼没、かつ魅力的な女の子は明命が一番なんだ」
未だ両肩を鷲掴みにされ正面から見つめられてる事に気付き恥ずかしくてうつむく明命、うつむいてから暫くして。
「・・・・・ハイ」
蚊の鳴くような声で承諾したのだった。
「あと、一人居た方が良いな」
この言葉にキラキラと瞳が輝きだした江東の小覇王。
「却下だ」
始めに言葉を発したのこの国の筆頭軍師。
「まだ何も言ってないわよ」
「言わなくとも判るわよ、一応言っておくが雪蓮。あなたの仕事は旅芸人ではなくこの江東の地の王だからな」
「ぶーぶー!はい〜曹操の力を削ぐのも王様として立派な仕事だと思います〜」
などと、わざとらしく手を上げながら意見をのべる雪蓮を見事に無視して考え込む一刀。
「…かなりの隠密行動が出来て…魅力的な女の子…」
うつむきながらブツブツ言っていた一刀が不意に顔を上げて言葉を発した。
281 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:53:05 ID:ikrGBSsoO
「・・・次点として、思春お願い出来る?」
チャキ!!
「(あれ?先程まで蓮華の後ろに居たよね思春さん)」
気付くと一刀の首筋に金属特有の冷たい触感が当たっていた、その行動に一部の人を除き驚くもけして本気では無いだろうと暖かく見守っている。
一方一刀も喋っただけで首が切れそうだと思うも、このままでは埒があかないので意を決して行動に移った。
「待ってください思春さん。先程も明命に説明したけどさ、隠密性が重要不可欠で魅力溢れる女性が…」
すると、ますます首筋に刃物が食い込んで行く。
「(切れちゃうよ〜思春さ〜ん、本当に切れちゃうってば)」
と、いくら心で呟いても首筋の思春の得物鈴音は緩まない。
あぁ〜駄目かな?と覚悟を決めた時。
「面白そうだから、やりなさい思春、本当は私がやりたいのを“譲るんだから”」
「ですが雪蓮様!・・・いえ、何でもありません・・・王のご命令であれば従います」
声からしてまるっきり嫌で、承諾も渋谷なのが丸解りなのだが、そこは雪蓮の助け舟に乗った一刀。
「それで魏国の民を志願兵としてこっち側に勧誘するの?」
「それは止めといた方がいいかな」
「なんで?阻止するんでしょ」
282 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:57:55 ID:ikrGBSsoO
「あくまでも妨害活動が主要で良いと思う、引き抜きまでやると事態を深刻と判断した魏国が本格的に排除しようと動きかねない。むやみに明命や思春を危険な目に遭わせられない」
「一刀さま…」
「フンッ!」
この台詞に片方は嬉しいとの反応に対し、もう片方は『だったら最初から巻き込むな!この痴れ者が!?』との反応なので、丁重に前者の気持ちだけを受け取った一刀。
「だから、魏国に対しては嫌がらせぐらいで丁度良いんじゃないかな?どっちかて言えば国内の方が重要?」
「じゃあ、取り敢えずそれで計画を進めるってことで良いわね」
「「「ハッ!」」」
そして今ここに、対曹魏への徴兵妨害及び、国内の徴兵増員活動と民への娯楽提供の作戦が立案、実行に移された。
主な任務は曹操軍の徴兵妨害、アイドル活動で取り込んだファンを使った情報収集と国内における自軍の徴兵活動に娯楽提供。
細かく言えば、明命は諜報活動の合間に敵地にてゲリラライブ、なるべく『数え役萬☆姉妹』に対してライブ予定地を先回りをしてのライブ決行。
思春は州境の偵察・巡回の合間に、特に長江を利用した移動と可能なら水上ライブ活動を、あくまでも国内の徴兵増員を重点に活動。
283 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 12:59:52 ID:ikrGBSsoO
こうして後方支援の役割分担も決めだす。
見聞の広さから穏と見聞を広げる為に亞莎に作詞を。
作曲とボイストレーニングを冥琳にお願いし。
振り付けと衣装作りをシャオが立候補してそのまま採用。
そして作戦が実行に移された。
だがいくら待っても肝心な訓練など、完成具合を見せてくれない二人に一刀は焦れる。
前回の張三姉妹のノウハウを活用してプロデュースするつもりだったので一刀的には少々歯痒かった。
だからだろか一刀は強気な行動に出た。
「やあ、明命に思春」
「一刀様」
「フン、北郷か何用だ」
思春の険悪な雰囲気にも怯まずに話しかける。
「あのさ二人とも、アイ!!」
シュタ!?
シュタ!!
「早ッ!てか逃げられた?」
アイドルと単語を言い終わる前に二人とも姿を眩ませていた。
それから何度か見つける度に進行状況を聞くも、その話になると決まって姿を眩ます二人だった。
しまいにはあからさまに姿を眩ます始末。
向こうがそうならこっちにも考えが有ると、他人から聞く手段に変えた一刀。
「あのさ、雪蓮」
「なに?一刀」
「思春と明命、二人のアイ!!」
▼暗転▼
そこで一刀の意識が途絶える。
「…郷、北郷」
「・・・あれ?祭さん」
284 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 13:02:29 ID:ikrGBSsoO
「『あれ?』ではないわ。なにをサボっておる」
「いや、サボっているってなに?ちゃんと仕事してるよ」
「そんな処で寝っころがってればサボってるようにしか見えんわい」
言われて見渡せばここは大広間、雪蓮に話しかける前と場所は変わらず。
だが、話しかけた雪蓮の姿は見当たらず、どうやら放置されたのだろうと判断した一刀。
「ヒデエな」
「なにが酷いじゃ、仕事をサボって酷いのは北郷、お主の方じゃろ」
「分かったよ祭さん。仕事に戻るよ…だけどその前に一つ質問いい?」
「なんじゃ?答えられる質問なら答えてやるぞ」
「じゃあ一つだけ。思春と明命、二人のアイ☆」
▼暗転▼
気付くと深夜の大広間に一人で倒れていた一刀だった。
こうなったら維持でもいつか見てやると決心した一刀『ただしバレないでひっそりと』と既に弱腰だった。
◇ ◇ ◇
また後日、練習風景をまたまた見掛けた恋とねねが呟いた。
「…不思議」
「なんなのですか、甘寧と周泰のあの不思議な訓練は?」
その言葉に飛び付いたのは北郷一刀。
「何?何?思春と明命の練習風景見たの、だったら教―」
▼暗転▼
薄れゆく意識の中でやっぱり無理かもしんないと七割方諦める一刀がいたのだった。
・・・
・・
285 名前:一刀十三号語る、[] 投稿日:2011/02/07(月) 13:03:55 ID:ikrGBSsoO
◇ ◇ ◇
長い廊下を歩いて来る一人の文官、大広間に入ると報告をする。
「曹操様。軍隊の出撃準備整いました、いつでも出撃可能です」
その報告にうっすらと微笑む。
「・・・フフッ、なら再び出撃(で)るわよ」
286 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2011/02/07(月) 13:07:08 ID:ikrGBSsoO
「にゃー(ご静聴ありがとうございました、ではまた〜)」
「・・・本当にネタが無いのか不調なんですね」
「・・・・・にゃー(バイバ〜イ)」
「無視しましたね、このバカ猫は…それでは皆さん、ではでは〜」

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