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631 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [sage] 投稿日:2011/02/22(火) 09:58:09.48 ID:0iBDqd5BO
「にゃー(ちょっと変わった拠点フェイズです)」
「どこがですか?」
「にゃー(小さな新しい拠点フェイズが出来れば随時ここに増やそうかと)」
「また、面倒くさいことをしますね〜」
「にゃー(その言い方は酷いです)」
「ではでは、拠点フェイズ始まります〜」
632 名前:対沙和イベント1-4[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 10:08:02.80 ID:0iBDqd5BO
江東の地にて、天の御遣いと噂されている北郷一刀は一人の女性の心配をしていた。
「(う〜ん、一人だけ心配なのが…しょうがないかな〜)」
この日、一刀は一冊の本を完成させた。
◇ ◇ ◇
「明命いる?」
「何でしょう?一刀様」
一刀の護衛を任されている明命は音も無く姿を表した。
「あのさ、許昌に本を置かせてくれるような知り合いの本屋無い?」
「はい?」
質問の意味をまるで理解出来ない明命は一瞬惚けるも。
「本屋の伝手ですか?それでしたら、いくつか有る諜報活動の拠点の一つに本屋そのものがございますが」
「へ〜本屋が拠点なんだ〜」
「はい、出ている本で国の情勢なども調べることが出来ますから」
「じゃあその本屋にこの本置いて欲しいんだけど」
「本をですか?拝見してよろしいですか」
「いいよ、決してここの情報を知らせる内容とかじゃないから、そこらへんは絶対だから信用して」
受け取った本を捲り軽く目を走らせた明命。
「亜女利歌海兵隊式新兵訓練書、著・覇亜都萬軍曹?なんですか?この本は」
「ちっょとね、どうしても心配な人が居てね」
「それは…」
と言いかけて止めた明命。
「分かりました、一応冥琳様に見せても構いませんよね」
633 名前:対沙和イベント2-4[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 10:16:21.12 ID:0iBDqd5BO
「うん、心配事があるなら全部解決してからで構わないよ」
「了解しました一刀様」
「後、本の値段を○○にして欲しいんだけど」
「そんなに安くするんですか?」
「確か常に金欠の子でね、確か?普段の手持ちがそんぐらいしかなかったと思うんだよ」
「その方のことをよく理解していらっしゃるんですね」
「う〜ん、どちらかと言うと強制的に理解させられた?覚えさせられた?方かな〜」
「ですが、嫌々では無かったのでしょう」
「なんで?」
「語る顔が嬉しそうですよ」
「そうなの?」
「そうです」
内心で焼き物を焼く明命。
「そうなんだ…そっか…とりあえずよろしく頼むね明命」
「分かりました、お預かりします一刀様」
・・・
・・

◆ ◆ ◆
許昌にてうなだれている少女が一人、いつもなら三人で行動することが多い彼女もある出来事の為に落ち込み今は一人であった。
「あう〜、この前の新兵訓練、凪ちゃんも真桜ちゃんも上手くやったのに沙和だけが駄目駄目だったなの〜、次の新兵訓練が上手くいかなかったら華琳様に・・・キャー嫌なの〜、助けてたいちょ〜
 …たいちょ?たいちょって誰なの?…そんなことより誰でもいいから助けてなの〜」
634 名前:対沙和イベント3-4[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 10:21:00.83 ID:0iBDqd5BO
ふと顔を上げると他州の本を手広く扱っていると評判の本屋が目に入る。
藁をも掴む思いで、ひょっとしたら他州では実用化されてる新兵を円滑に訓練出来る方法が有るかもしれないと本屋に入る。
店内は他州の本も取り扱うというだけあってそれなりに大きい、本もかなり多い為に早くも脱落しかけた干禁はとりあえず兵法書が有る棚へ向かった。
「新兵訓練…新兵訓練…」
これといって真新しい兵法が見つからないその部門の棚には古い本が立ち並ぶ、だがその棚の端っこに真新しい為に目立つ本が一冊有った。
あまりに目立つその本を思わず手に取って読み出していた干禁。
「…亜女利歌海兵隊式…新兵訓練書?ああ新兵訓練の本なの〜」
手に取った本の頁を捲る、熟読の姿勢に入りかけた時。
「んん゛っ…」
すぐ横で咳き込む声に『うるさいなの〜』と思い、そちらを向けば居たのは本屋の主。
「あはは・・・おじさんこれ幾らなの?」
無駄だと思いながらも値段を訪ねてみる干禁。
「○○だよ」
無愛想に答えられたら金額は干禁にとってビックリする、手間暇を考えると常識的に考えて有り得ない値段だった。
「そ、それなら」
慌ててお金を取り出して手持ちを数えだす。
635 名前:対沙和イベント4-4[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 10:46:16.39 ID:0iBDqd5BO
「ひい・ふう・みい・よう・・・これなら私の手持ちでもなんとか買えるのなの〜♪、おじさんこの本、売ってなの〜」
・・・
・・

こうして喜んで本を買って帰った干禁は大変気に入ったらしくかなり熟読した。
その結果。
「ペチャクチャ喋ってるな!貴様らー!!」
次の新兵訓練の時に友人二人がビックリするような変貌だった。
だが、そのかいあってか新兵訓練の効果は絶大だったらしい。
こうして謎の罵声を浴びせながら新兵を鍛える少女が誕生した。
636 名前:雪蓮と冥琳のたわいない普段の会話[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 10:53:43.60 ID:0iBDqd5BO
「時に雪蓮」
「な〜に、冥琳?」
「劉備のところの北郷一刀と呼ばれる彼とは、一体どのような仲なのだ?」

孫呉の筆頭軍師、周公謹としては今まで知らなかった情報の為に興味も有り、是非とも確認しときたかった。
「話すと長いし難しいのよね〜」
『う〜ん』
と、珍しく真剣に悩んでいる雪蓮に周瑜は更に興味を示す。
「そうだわ!私と冥琳が『断金の仲』でしょ」
「そうだな」
「なら私と一刀は『禁断の仲』!よ」
あまりに馬鹿馬鹿しい答えだが本人は至って本気の様で長年一緒の周瑜には判った。
付き合いからこれ以上の詮索は無駄と悟った周瑜はこめかみを押さえて何も言わなくなってしまうのだった。

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