「一刀、夜になったら私の部屋に来なさい」
「え? 今日か?」
「そうよ。何か問題でもあるの?」
「いや、わかった。なるべく早く行くよ」
俺は浮かれてたんだ。久々だっていうのもあったし、華琳の方から誘ってくれたから。
おかげで桂花の呪い殺すような視線にも、いつも以上に口角が上がってた華琳の笑みにも気付かなかった――
●●●
「華琳ー、来たぞー」
華琳の部屋の扉をノックする。返事は直ぐにあった。
「入っていいわよ。一刀」
「ああ、失礼するよ……ってあれ?」
部屋の中ほどまで進んでも華琳の姿が見えない。返事があったんだから居るのは間違いないんだけど……
――カチャン
どうしたものかと考えていると後ろから錠の落ちる音がし、振り向いて見ればそこには華琳がいた。
「なんだ、そんな所にいたのか。なんで鍵なんか閉めたんだ?」
「決まっているでしょう。貴方を逃がさないためよ、一刀」
「……え? 逃がさないってどういう――」
「ふふっ、今日はね、趣向を変えてみようと思ったの」
そこでやっと気が付いた。華琳がいつもとは違う笑みを浮かべていることを。
後ろ手に組みゆっくりと歩み寄ってくる華琳。
いつもなら抱きとめて押し倒すんだけど、本能で身の危険を感じたのか脚が後退を始める。
「あら一刀、何を怯えているのかしら。いつもの種馬振りはどうしたのかしら。けど、今日は私が可愛がってあげるわ」
そういって華琳が取りだしたものは
「そ、それはっ、真桜の」
「あら、知っていたの? そうよ、以前真桜に作らせたこれを今日は使ってみようと思ってね……」
「お、お菊ちy……アーーッ!!」
今日も魏国の夜は更けていく……
おまけ
「だ、だめッ……、あっ、ああぁ、2本なんてッ……入るわけッ、ない、じゃないっ……」
種馬の逆転勝ち