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395 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:02:00 ID:YjMG0tA50
魏ルートアフター+学園編モノ作ったから投下する
初めてSS書いたんで行数カウント怪しいが8回でいけるはず
オリキャラなし
396 名前:1/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:04:43 ID:YjMG0tA50
「夢の続きを」

本郷一刀が目を覚ましたのは自分のベッドの上だった。

「天井…」
どうやら自分が見ていたものは夢だったようだ。
「華琳には悪いことしちゃったな」

自分の見てきた世界、感じてきた風、触れ合った人々を夢で終わらせたくなかったが現実は否応にも頭を切り替えさせる。
目覚ましの音が激しく鳴り、今日からまた学生としての日々が始まることを告げていた。

「今日は土曜日なのか」

慌しい朝と久しぶりの学生としての生活のリズムはあちらの世界に残してきた想いを一時でも忘れさせてくれるのに十分だった。


学校に行き、授業を受ける。
そんなこの年の子にしてみれば当たり前のことがどうして奇妙にに感じられるのか。

「そりゃー、あんな夢を見たらなぁ」

先ほどまで戦場に立って命のやり取りをしていた一刀には以前は聞きなれた授業も、いつもの先生の声も頭に入らなかった。

寮へ帰り、夕食を済ませ、退屈なテレビを見て、もうこんな時間かとベッドに入る。
それはこちらではいつもと変わらない生活であった。

「とは言えこっちの生活はこっちの生活だし、頭を切り替えていくか」

電気を消して、またあの夢が見れればという淡い期待を抱きつつ一刀は眠りについた。
397 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:08:32 ID:YjMG0tA50
トラブル発生
コピペ作業間違えて間の数十行が吹っ飛んじまった
出直してくるorz
399 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:40:44 ID:YjMG0tA50
補修完了
元の文章を完全には再現できなかったけれど大筋において変わりはないのでこのまま投下します。次2/8
400 名前:2/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:42:07 ID:YjMG0tA50
「天井か」

そこには見慣れた天井が広がっていた。時刻は…暗くて分からないがカーテンの隙間から少し光が洩れていることから朝だろうということは予想できる。
せっかくの日曜日だ。もっとゆっくり眠ってもよかったが惰眠を貪る趣味はない。
これも夢の中の三国志の世界で朝から晩まで働いていたおかげだろうか。生活のリズムがずいぶん整ったように感じられる。

とりあえず顔でも洗ってくるかとベッドから抜け出したところで足元がぐらついた。
なんかこう柔らかいものを踏みつけた感触が伝わってきたが、昨日の夜に何か片付け忘れたのだろうか。
電気を点けようとスイッチに手を伸ばす。

部屋の中央の蛍光灯に灯が点ると足元には人が転がっていた。
「うわっ」
「ううん…」
なぜ人が俺の部屋に入り込んでいるのか。理解は追いつけないが思わず足を引いた。
それから顔を見ようとすると丁度目を開けたソレと目が合った。
「ふみゅ…一刀…?」
「華琳…さん?」
その子の顔は一昨日の夢で見た子にそっくりだった。
名前を曹操、真名を華琳という。夢で見た三国志の世界で覇王となったその子だ。
「あぁ…一刀ね…何だか眩しいわよ…」
「う…ずいぶんと明るいが、おい、姉者起きろ。この様子だともう日はずいぶん高く昇ったのか。我ながら不覚だな」
別の方向から別の声が聞こえそちらを振り向いてみるとようやく事態がどうなっているのか理解できた。
俺の部屋に所狭しと人が寝ている。

「どうなってんのコレ…?」

さっきの声の主は秋蘭だ。その横には大の字に寝ている春蘭の姿がある。二人は俺と一緒に華琳を支え、大陸制覇を成さしめるという大業を終えた。
しかしその結果として俺はあの世界から去ったはずだった。その三人が、いや三人だけじゃない。
他の寝ている面々もよく見れば見知った顔ばかりだ。これは一体どういうことだ?

夢と現実の狭間が交差する。
401 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:44:59 ID:YjMG0tA50
「一刀…一刀!?」

急に目の焦点をはっきりさせた華琳が俺に抱きついてきて、俺はその勢いでベッドに倒された。

「嘘じゃないわよね。一刀よね!?」
「正真正銘、北郷一刀だよ華琳。久しぶり」
よく分からないがどうやら夢の中に出てきた華琳という少女が今ここにいる。そして向こうも俺のことを知っているようだ。
とすると、あれは夢ではなかったのか?
「久しぶりじゃないわよ!何で勝手に…」

目に涙を溜めながら華琳は俺の胸に顔を埋めた。あの時、別れ際にさえ見せなかった涙を浮かべていることが一刀には嬉しく
そしてそれほど寂しい思いをさせたということについて申し訳なく思った。

「それについてはまぁ…悪かったと思ってる。華琳を残して勝手に消えちゃったもんな」
「そうよ。バカ…。何でこの曹孟徳の許しも得ずに勝手にいなくなったのよ」
「でもこうしてまた華琳と会えて嬉しいよ。」

自分が愛した女の子、寂しがりやの女の子、そして誇り高き女の子。
霞を帯びかけ、忘却しそうになっていた彼女と過ごした日々が脳裏に克明に蘇ってくるのを一刀は感じ取った。
そしてこの時、一刀は彼女と過ごした日々が夢ではない現実のものだということを認識した。

「あなたはこの私の所有物よ。もう二度と勝手にいなくなることなんて許さないんだから。それに私たちを置いて行った罰として今後はずっと私の側にいなさい。」
華琳はもう離すまいと腕に力を込めて強く強く一刀を抱き締め、一刀はその返事の代わりに華琳を抱くその手を少し強くして頭を撫でた。

「北郷…会いたかったぞ」
「久しぶりだね、秋蘭。元気そうで何よりだよ」

華琳を抱えながら秋蘭のほうに顔を向けると、彼女も驚きと喜びの入り混じった表情を浮かべていた。
彼女もまた一刀の愛した人であり、共に三国統一に渡る壮絶な戦場を駆け抜けた大切な仲間の一人であった。
一刀に向けられるその優しい眼差しは最後に別れた成都から変わらず、この再会を喜んでいるようだった。
402 名前:4/8(前レス3/8)[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:52:47 ID:BYlhkNrb0
しかしここで疑問はいくつか浮かんでくる。一刀はここが現実だと思っていた。昨日も一人で寝たはずだ。
いつの間に彼女たちが部屋に入っていたのだろうか。

「華琳、どうやってここへ?」
一刀はもう少し彼女の頭を撫でていたかったが、いくつか確認しなくてはならないことがある。
「そういえば妙に明るいわね」
「そりゃ電気つけたから…」
「電気?」

「うぅ…なんやこの明るさは!」

ガバッと起き上がったのは俺の愛する部下の一人。真桜だった。
そして目の前に倒れている、正確に言えば押し倒されている俺と目が合った。

「ああああああああー!あ、あ、隊長ー!」
「ううん…何なの真桜ちゃんうるさいのー」
「どうしたんだ真桜…」

次々と起き上がってくるかつての俺の部下たち。

「何なのよ…もう、うるさいわねぇ」
「何や、もう少し寝かせてえな…」
「どうしたんですか皆さん、こんな朝から…」
「うぅ、もう朝ですか。どうやら飲みすぎたようですね…起きなさい風。朝ですよ」
「ぐぅ…」

桂花、霞、流琉、稟も起きてきた。

「た、た、隊長が戻ってきたんや。隊長ー!」
突然大声を上げた真桜の声と視線の先に一同は釘付けにされてしまう。
403 名前:5/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 05:59:27 ID:BYlhkNrb0
「一刀…?一刀やないかー!」

ある者は再会に喜び

「北郷?あなた…」

ある者はそれを苦々しく思い、

「隊長なのー、凪ちゃん隊長が戻ってきたの」

またある者は再会の喜びを共有しようとし、

「隊長?本当に隊長なんですか…?」

ある者は動けなくなってしまった。

「一刀殿…?これは一体?風も起きなさい!」
「あら、お兄さんこれはこれは朝からお盛んですねぇ」
どうやら稟も風も息災のようだ。しかしその発言はまずい。むしろこの状況を見て今まで何も言ってこなかったほうが僥倖というに他ない。
「北郷一刀…あなた華琳様に一体なにをしようと…。さっさと離れなさいよ。華琳様に何するつもりよ!あぁ、華琳様お美しい肌がその野蛮な獣に汚されてしまいます」

予想通りの展開になってきたことに一抹の不安と身の危険を感じたが華琳はその手を離してくれない。

いやいや華琳さんそろそろ離してくれないと非常にまずい事態に…。
あ、その顔は分かっててやってるのか。
明らかに挑発的な目は「これくらいどうにかしてみせなさいよ」と語っていた。いや、無理ですってば。
「と、とりあえず、みんな久しぶり…元気そうで何よりだよ…」
軽く笑って笑顔でこの事態を収拾させようとする案は無理だ。
寝起きの頭をフル回転させて、どうにか殺されずにこの場を収める対応を頭の中でシュミレートするが、
状況は次に起き上がってきた子たちによって非常に危険なレベルに達したと判断された。
405 名前:6/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 06:08:14 ID:BYlhkNrb0
「何だ…うるさいぞ秋蘭…」

まだ、寝惚けている獅子と、

「兄さま、戻ってきてくださったんですね」

こちらは大丈夫だろう。にっこりと笑顔を返す。

「うう…流琉、もう食べられないよぉ」

こっちも寝ぼけているのか…。

「起きなさい季衣、兄さまが帰ってきたんですよ!」
「兄ちゃん!?兄ちゃんどこ!?」
「なんだ…季衣まで…北郷は既に…北郷!?北郷!」

「あらあら人気者じゃない、一刀」

冷静さとそして若干嫉妬混じりの声。どうやら華琳は一人の女の子から覇者としての自分に切り替えたようだ。
俺としては何とか無事にこの場をやり過ごすためにもまず体を離して頂きたいところなのだが。

「感動の再会…といきたいところだけど、どういうことなんだ華琳?」
「それはこっちが聞きたいわよ。それにしてもここはどこなのよ?」

見慣れぬ壁に天井の明かり。そして机の上の物や置いてあるテレビなどに興味を示し始める面々。

「ここ、俺の部屋なんだけど…」
「一刀殿は天に帰られた。その一刀殿の部屋ということはここは天の国なのでしょうか?」
さすが稟。話が早くて助かる。
「すると私たちはお兄さんの部屋に閉じ込められ、これから毎日お兄さんの肉棒に調教されるということですね。酷い人です。」
風、頼むからこれ以上事態を悪化させないでくれ。
407 名前:7/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 06:15:48 ID:BYlhkNrb0
その言葉が最後の引き金となり、これまで突然の再会に停止していた各々の頭が動き出す音が聞こえたように思えた。

「何だと北郷!私や秋蘭ならともかく華琳様を調教するとは…再会は喜ぶがお前は許さん!華琳様から離れろ!そこに直れ!叩き斬ってやる!あれ?秋蘭、私の剣はどこだ?


「むぅ、私の武器もないな。姉者どうやら北郷の首を刎ねることは出来ないようだぞ」

今すぐにでも斬りかかってきそうな春蘭とそれを楽しんでいるように思える秋蘭。

「いいから今すぐ華琳様から離れなさいよ。この下劣で汚らしい女と見れば見境なしの全身精液男!」
「我ら全員を監禁し一刀殿に調教…。華琳様を貫いたその愚物を代わる代わる私の中にも突き入れ…あぁ…プハッ」
「ちょ、何こんなところで鼻血出してるのよ。しっかりしなさい」
「はーい、稟ちゃん。とんとんしましょうねえ」

いつもの調子の軍師たち。

「ねぇ流琉、調教って僕たち馬じゃないよねえ」
「季衣もすぐにわかるて。安心しい」
「霞さんも季衣に変なこと吹き込まないでください」

季衣に何やら吹き込んでる霞とそれを止める流琉も盛り上がってる一方、

「隊長、そんなことせえへんでもうちらなら喜んで肉奴隷になるでぇ」
「肉奴隷はちょっと〜でも隊長ならいいかもなの」
「隊長、我々は隊長のいかなる愛にも答える準備があります。さあどうぞ」

なんかこっちはこっちで手の付けられない状態に陥ってるし。
409 名前:8/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 06:23:56 ID:gD07xl/10
「華琳、まとめてもらえるか…」
いつもの調子で騒ぎ始める面々が変わっていないことに喜ぶ反面生命の危機的状況で最後の頼みの綱は華琳だけだ。
この面子を相手に俺が黙らせることなんて到底出来そうにないし、元々俺にはそこまでの人望もない。
そんな絶望した顔を華琳に向けるとようやく華琳が口を開いた。
「あら?もう音を上げるの?面白くないわね」
「二度と離れないことは誓うから体を離してくれないか。じゃないと今度こそ俺が死んで永遠に会えなくなるよ…」
実際、春蘭は何か武器になるような得物がないか探しているようだったし、もう何か起こるのは時間の問題とも思えた。
「やれやれ、しょうがないわね。…皆黙りなさい!」

華琳は俺から手を離し立ち上がった。そしてベッドの上から皆を見下ろすようにして一喝した途端、騒ぎ立っていた湖面は静まり返り普段の冷静さを取り戻した。
これが魏の王、大陸の覇者の威厳か。華琳の持つ絶大な統率力に改めて驚いている俺に華琳が顔を向け尋ねてきた。

「まずは状況整理をしましょう。一刀これはどういうこと?」
「俺にもわからないよ。俺は確かに華琳たちのいた世界からこちら側へ戻ってきた。その後一晩経って目が覚めたら華琳たちが俺の部屋にいた」
「はぁ!?意味が分からんではないか。もっと分かりやすく説明しろ」

春蘭がいつもの調子で噛み付いてきた。正直俺でも分からない事態をさらに分かってなさそうな春蘭にどう説明すればいいのか思案を巡らせていると華琳が助け舟を出してく

れた。

「つまり今回は一刀の時の逆に、私たちが流れ星になったということよ」

俺が以前あちらの世界に降り立った際、流星となって空から落ちてきたということは以前華琳から聞いた。
つまり今回も流星に運ばれて華琳たちは現実世界に来たと考えるほうが妥当だろうな。しかし流星が俺の部屋に降ってきた形跡はおろか壁一つ壊されていない。
状況は微妙に違うが、しかし今春蘭相手に納得させるには十分だったようだ。
410 名前:9/8[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 06:28:21 ID:gD07xl/10
「あの、華琳様?私は流れ星になど乗った憶えがないのですが」
「姉者は寝ていたのだ。私が一緒に乗って姉者が寝惚けて落ちないよう見張っていたからここまで無事だったのだ」
「おぉ、そうか。それは助かったぞ秋蘭」

秋蘭の機転の利いたフォローで春蘭は納得したようだ。さすがは姉妹。

「で、華琳は気がついたらここにいたってわけか」
「そうね。成都での最終決戦を憶えているかしら。昨日は丁度終戦から一年ということで三国の代表が集まって宴会を開いていたのよ」
「それで目が覚めたら俺の部屋ってわけか。うーん、俺のときの同じようなもんだな。それじゃ華琳はこっちの世界だと行く宛はないのか」
「この部屋は…この人数が住むには狭すぎるわね。どこか近くに部屋はもらえるかしら?」
「うーん」

華琳は軽く考えているのかもしれないが部屋だけじゃなく、この世界での生活のこともある。
俺一人ではこの人数の人間の生活の面倒を見切れるわけがないのは明白だ。
かといって彼女たちをこっそりここに住まわせるにしてもこの人数だ。いつまでもこの男子寮に匿い続けられるわけがない。
バレたら退寮、いやこの人数だから学校にも伝わって何かしらの処分があるだろう。
幸い今日は日曜だ。彼女たちの部屋探しも必要だし生活のための道具も揃えなくてはならない。
しかしこの人数の生活道具一式を揃えるとなると俺の小遣い程度じゃあ焼け石に水だ。どうしたものか…。
「よし」
ここで悩んでも仕方がないのでまずは寮の人たちにバレないように彼女たちを外へ連れ出す方法に集中することに決めた。
411 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/30(金) 06:31:43 ID:gD07xl/10
連投規制にかかって度々ID変えたこと
途中、操作ミスで書いていたものが消えてしまったので急遽書き足したので当初の予定よりレス数オーバーしたこと申し訳ない
>>406了解

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