へえー、これが「阿蘇阿蘇」か。沙和が夢中で読んでるんだよなぁ。
俺は本屋で何気なく、阿蘇阿蘇を手にとってパラパラと読んでみる。
ふーん、時代や場所は変わっても、女の子向けのファッション雑誌ってのはどれも同じようなもんなんだな。
そう感心していて、ふと疑問に思った。
あれ?紙がかなり貴重な世界なのに、沙和のお小遣いで毎号買える雑誌ってどうやって大量に販売されてんだ?
貴重な兵法書の類でもないのに、不思議だ。
俺は出版元が書いてあるかページをめくって探してみたが、見つからない。
これだけメジャーな雑誌なのに、出版元や発行者が分からないなんて・・・。
謎のファッション雑誌だな、阿蘇阿蘇・・・。
ふと、阿蘇阿蘇を口ずさんでみた。
阿蘇阿蘇・・・
あそあそ、あそあそ・・・
あ、そあそ
そあそあ、そぅわそぅわ
そ、うそう
そ、曹操?!
バンザーイ!バンザーイ!
こりゃ、かなり苦しいか。我ながら悪い冗談だなぁ。
でも・・・。ま、まさか・・・ね。