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955 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:28:29 ID:QwCGdc1L0
もはや、gjとしか言いようがない。
桂花と風が可愛いwww

さて、私もさくっと読める小ネタのはずが、なぜか短編になってしまった小ネタ投下用意……
終わりには=終わるかも知れない=をつける。
956 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:34:12 ID:QwCGdc1L0
それは、益州への進行途中だった。
ちょうど、伯珪が一刀の言う『死亡フラグ』を立てた戦の後のことだろうか?
「うわぁぁぁぁん!」
 その事件‐雛里が天幕から、彼女とは思えないほどの大声を出して泣きながら飛びだしたのは。


 『史実的外、あれ?史?〜とにかく鳳統落鳳破編〜』


 事の発端を放すと実に唐突だった。
「良くやったな。朱里」
「えへへ……だってこの策……」
 朱里の献策が上手くいき、また無血入城が成功したその日、一刀は朱里の頭を撫でていたりする。
 朱里も、頭を撫でられるのは好きで、得意満面で甘えていたりする。
「朱里は偉いな〜……ん?」
 そうしていると、唐突に腕に違和感を覚えた。どうやら、誰かが袖を引っ張っているらしい。
 見てみると、おどおどしながら雛里が一刀の袖を引っ張っている。
「どうしたんだ、雛里?」
「……(じわっ)」
 だが、そういった瞬間に雛里の目尻に涙が溢れてくる。
「へっ?」
「うわぁぁぁぁぁん!」
 そして、一刀が頭に?マークを浮かべた瞬間に彼女は天幕から泣きながら走りだしてしまった。
「な、何だ?」
「あっ! ご主人さま!」
 すると、朱里は何かに気づいたように口を開いた。
「どうしたんだ?朱里」
「実は……」
957 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:39:09 ID:QwCGdc1L0


 しばらく行った森の中。
 そこで雛里は肩から息をしている。
「ううっ……あの策。私も一緒に考えたのに……」
 なのに、一刀は朱里だけを褒めていた。
 そして、ご褒美と言わんばかりに、彼は朱里の頭を撫でていた。
 それを考えると、寂しかった。嫉妬してしまった。色々な感情が彼女の中に渦巻いていた。
「でも……」
 もしかしたら、話せば分かってくれたのかもしれない。だが、遅かった。もう天幕から飛び出し、今ではこんな所にいる。
「うう……どうしよう。空鍋を焚いていたのを忘れてたとか言えば誤魔化せるかな?」
 ご主人さまに嫌われてしまうかもしれない。飛び出した理由を考えなければならない。
「あっ……確か、この先は確か敵さんがいないはずだから、本当かどうか偵察してきたって事にしよう」
 そうすれば、理由も付く。朱里に嫉妬したこともばれないかもしれない。そして、頭を撫でてくれるかも。
 そうすると、彼女はその先へと歩き出した。
959 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:44:02 ID:QwCGdc1L0
 雛里がそのような事を考えた一方で、天幕の一刀は朱里から話の続きを聞いていた。
「そっか、雛里も一緒に考えたんだ」
「はい、その事を言う前に雛里ちゃんがきちゃいまして、多分勘違いしたんだと。」
 さすがの朱里もしょぼんとしている。
「まぁ、雛里だって話せばちゃんと分かってくれるって」
「うう〜」
 後で帰ってきたところで、ちゃんと謝ればきっと分かってくれる。そう思った時だった。
「お〜い、北郷」
「お、白蓮じゃないか?」
 姿を現したのは、他でもない『白馬長史』で『普通の元太守』こと公孫賛 伯珪だ。
「さっき、雛里の奴が陣の外に出てったみたいなんだけど」
「あぅ……たぶん、雛里ちゃん。誤魔化すために一人で偵察に行ったのかも。
この辺りはみんな桃香様を歓迎している人達ですし、雛里ちゃんが一人で歩く分には誰も軍師だとは思わないと考えたんだと思います」
 さすが、雛里の事を朱里も分かっている。
「おいおい、熊とかに襲われたりしないのか?」
「たぶん、道を堂々と歩くと思いますから大丈夫だと」
 一刀はそれを聞くと、安心した。いくら人見知りとはいえ、危ない事はしないだろう。
「ところで、出てった所って何処に繋がってるんだ?」
 興味本位の質問。だが、それがあんな事になるとは誰も知らなかった。
「ええ、たしか『落鳳破』って……」
960 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:45:50 ID:QwCGdc1L0
「……!!」
 その瞬間に一刀の脳裏にいやな予感がよぎった。『落鳳破』『鳳統』。その言葉が示すものは。
「雛里が危ない!」
「はわっ!ご主人様!」「お、おい、北郷!」
 二人の静止も聞かず、一刀は陣から飛び出してしまう。
「ご主人さまじゃ危ないですよー!」
「大丈夫だ。私が連れ戻してくるから」
「白蓮さん!でも鎧なんてつけてたら」
 もし軍師だとばれたら、それこそ危ない。その意味では彼女一人の方が安全なのだが。しかし、伯珪は笑顔を浮かべる。
「私を誰だと思ってるんだ? 白馬長史の公孫賛だぞ。二人を守るくらい造作もないって」
「でも……」

「安心しろって。
 そーいえば、朱里と雛里って、お菓子が上手だったよな。ちゃんと私が帰ってきたら作ってくれよ」

 そう言って、伯珪は剣を携えると、天幕から出て行った。
963 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:47:34 ID:QwCGdc1L0
「そういう訳で〜、全大陸10億3000万の美羽様の下僕の皆さま、お待たせしました〜。みんなのアイドルの美羽様のお守の張勲で〜す」
「誰に何を言ってるのじゃ?七乃」
「いえ、これは天の世界のお約束らしいですよ。そういう噂が、庶民の中で流行っているみたいです」
「そうなのかの?」
 所変わって、落鳳破では二人組が騒いでいた。
「で、七乃。一体こんな所で何をしているのじゃ?」
「実はですね〜。この近くに劉備さん達が来ているんですよ〜」
「なぬ! 劉備じゃと!」
 その人物の名を忘れたことなど、少ししかない。 彼女が憎む?べき名前で孫策と共に上がっている人物だ。
「それでは……」
 美羽がにやりと笑う。その笑みを
「は〜い。憂さ晴らしがてら、少し嫌がらせをしようと思いまして、もう準備はできてまう」
「さすが七乃! 妾のしたい事を先読みできるとは!」
「は〜い、もっと七乃を褒めてください」
 何やら、相変わらず二人の世界に入っている美羽と七乃。
 だが、彼女の手には一本の連弩が握られている。
「で、こんな物を用意しました」
「うむ。これであの劉備めの泣き顔が見られるのじゃな!」
「はい! 弓な苦手な私でも簡単に当てられる大発明です♪しかも、矢も特製ですよ、ほら先端を見てください」
「おおっ! これは悪質なのじゃ」
 すると、草むらのが動く。そっちに七乃が目を向けると、こちらに向かってくる影があった。
「おやおや、あれは劉備さんの軍師の鳳雛ちゃんですね」
「では、七乃! 一撃必中なのじゃ!」
966 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:49:40 ID:QwCGdc1L0

「あぅ……この辺なら大丈夫だよね」
 そう言いながら、道を歩いて行く。熊の様子はない。虎もいない。不安要素はないはずなのだが。
「ご主人様……」
 だが、いやな予感がする。 そして、その予感は……
「えっと、そろそろ……っ!」
 弩を構えた七乃の姿であった。

「雛里!」

 後ろから声がする。だが、矢はすでに放たれ待ってはくれない。
 何かが、雛里に覆いかぶさる。温かい。
「うぐっ!」
 誰の声だろうか?だが、そんな事はどうでもいい。あの弓が当たれば彼女は……。
「あれ?」
 痛みはなかった。背中には痛みと濡れた地面の感触。そして、顔には温かい胸が。
「ご主人様?」
「雛里、大丈夫か?」
 その正体は一刀であった。
「ご主人様!」
 自分を庇ったのはすぐに想像できた。庇って地面に倒れ込んだのが。
「どうして……っ!」
 恥ずかしいが、それ以上に心配だった。
「いやさ、ここが落鳳破だって聞いたから。ついさ」
「でも、ご主人様……」
「良かった……」
967 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:51:10 ID:QwCGdc1L0
「あわわ」
 無事を確認すると一刀はぎゅっと雛里を抱きしめる。一瞬、自分の状況を忘れるくらい恥ずかしくなった。
「ごめんな。雛里も撫でてほしかったんだろ?」
 そして、彼は雛里の頭を撫でた。優しく丁寧に。
「でも、私なんかがいなくても」
「俺は、雛里が居なくなるのは嫌だぞ。たとえ、どんな時でも」
 その言葉はこの場所の名前を聞いた時に飛び出してきた事が証明している。
「ご主人様」
 そして、事実彼女をこうやって庇っている。それが何よりの実感できる証拠だ。

「あぅ……でも、ご主人様……矢が」
 心地よい時間をもう少し堪能したかったが、そんな暇はない。
「ん?」
「矢が刺さって……」
 確かに、自分を庇ったのだ。もしかしたら、矢が刺さっているかもしれない。しかし一刀は……。
「いや、大丈夫だって。地面に転がったから頭の上を飛んでったよ」
「でも、さっき「うぐっ」って」
「へっ?俺じゃないぞ?」
「え?ええ?」
 どうやら、一刀には矢が当たってないらしい。
 じゃあ、誰だろうか? そう思って彼女は声をした方を見る。そして、それに釣られて一刀もそっちの方を見ると

「うぐっ……何で私が」

「白れーーーーーーん!」「白蓮さん!」
額に矢が命中し地面に倒れ伏している伯珪の姿があった。
969 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 22:51:58 ID:QwCGdc1L0


「はっはっはっは、それはまさに傑作ですな」
「笑うな! 星」
 天幕の中で星と一刀、そして朱里、雛里が伯珪の額を見て笑っている。
 そこには墨のようなもので『只今、戦死中』と書かれていた。
「うう、何だよ。これ。洗っても取れないし」
「おそらく、矢にカラクリが仕掛けられていたのだと」
「ずいぶん、こった仕掛けだな」
「うう……もう戦場に出れない。麗羽達にも馬鹿にされるし」
 どうやら、効果は抜群のようで、そのまま机にうつ伏せになってしまう。
「しかし、良かったよ。白蓮……はともかく雛里が無事で」
 さらりと酷い事を言うが、それでも雛里は笑っていた。
「雛里ちゃん」
 そして一通り笑い終わると、朱里が雛里に話しかけてくる。
「なに?」
「ごめんね。私、雛里ちゃんの事言い忘れちゃって」
「ううん、大丈夫。朱里ちゃんの事はよく分かってるから」
 結局、自分は勘違いしていたのかもしれない。
 一刀は常にみんなの事を見ているのに。
「ご主人様の事も」
 だから、焦る必要はない。自分に出来る事は、自分の居場所はここにちゃんとあるのだから。

                       =終わるかも知れない=
985 名前:エロ本[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 23:19:22 ID:QwCGdc1L0
>>次スレ
恋姫†無双〜ドキッ☆乙女だらけの外史演義〜 6
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1232288132/


>>後書き
なんか、本スレでもここでも落鳳破が出てたんで一晩で書いてみた。
張仁がいないんで七乃で代用したよ。その方が楽しいし。
ハムは……言わなくても分かるだろ?後悔はしているが反省はしていない。

最後に……読んでくれてありがとうorz

>>972
あーしぇかわいいよ。あーしぇ

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