- 780 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:10:37 ID:D+kV9YeB0
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誰もいないようだからこっそり投下するよ
大体5レスくらい使いそう、あと10分くらいしたら投下するよ
魏√、ネタの女装も許せないなら見ないことを薦めるよ?
- 781 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:21:24 ID:D+kV9YeB0
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「さぁて、そろそろ覚悟を決めてもらいましょか?隊長ぉ〜」
「いい加減かんねんするの〜」
「・・・申し訳ありません隊長、ですが約束は約束です。」
昼下がりの洛陽、中央通りに店を構える沙和お勧めの服店、
麻の如く乱れる戦乱の世の中、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続ける
一大勢力、曹孟徳率いる魏の警邏隊長にして天の遣いと謳われる、また
一部においては魏の種馬との異名を取る青年、北郷一刀は
店内試着室の前でフリフリフリル満載のゴスロリドレスを手に固まっていた。
「うぅ、どうしてこんなことに・・・」
話は昨晩にさかのぼる
その日、珍しく夕食前に業務を終えた一刀と副隊長の3人娘、凪、沙和、真桜
は食後、中国の伝統遊戯、麻雀に興じていた。
「いや、意外に隊長強いなぁ」
「ホント、びっくりなのー」
「あのなぁ?お前らほめてくれてるつもりか知らんが意外は無いだろ意外は」
「すいません、隊長。ですが正直ここまで出来るとは思いませんでした」
微妙な表現ではあるものの一刀の腕前に感嘆の声を挙げる3人、
実際状況は一刀の圧勝ペース。東場終了時点で既に2位の真桜相手に
ダブルスコア、少なくともこの半荘、残りの南場からの逆転など倍満直撃でも
なければありえない。
「とはいえまだ南場がある!ここから逆転や!」
「隊長ハコ割れにしてやるのー!」
「・・・勝負は下駄を履くまでわからないものです。」
「おまえらな・・・」
- 782 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:22:09 ID:D+kV9YeB0
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普段の一刀なら3人の軽口など軽く流していただろう。しかしこの勝負一刀にはまず負けがない。
そんな状況が一刀に普段ならば絶対に言わないであろう一言を漏らさせた。
「よーし、だったら賭けよう、もし俺がここから最下位になったら・・・そうだな、
明日一日、お前らの好きな格好ですごしてやるよ」
瞬間、場の空気が変わった。それも激変といっていいくらいに急激に。
「えー、ほんと〜?隊長?」
「なんやええんか〜、そんな約束してもうて」
「・・・・・・・(ポッ)」
三者三様に、しかしながら一様に目を輝かせて一刀の言葉に反応する3人娘
「あ、あぁ、もちろんだ。法に触れない範囲、と限定はするがな」
本能的に危険を察知し思わず言い澱む、言い澱むものの言い出した手前、
また彼女らの期待に満ちた視線の前に一刀は引くことが出来なかった。
「よーし、それじゃーがんばるの〜♪」
「(凪、沙和、通しはあれでいくで)」
「・・・勝ちに・・・行きます!」
「ちょwwwお前らwwww」
後は語るまでも無いだろう、脱衣マージャンのチートモードの如き3人娘の前に
南3局目にして沙和の国士無双地獄待ちの直撃を受け一刀はその躯をさらしたのだった。
- 783 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:23:11 ID:D+kV9YeB0
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そうして今に至る。
「ほらほら隊長さっさとかんねんするのー」
・・・もはや引くことは出来ない。ひとつ大きなため息をつき顔を上げる。
店員のお姉さんの冷たい・・・というよりあれは奇妙なものを見る視線だろう
それに耐えながら試着室へ入った。
改めてゴスロリドレスを眺める。確かに好きな格好と言った。言ったのだ。
しかしながらあまりにあまりな格好だろうともう一度深くため息をつき、
ようやく覚悟を決めると制服のボタンに手をかけた。
「隊長少し遅いんじゃないか?」
「せやなぁ、流石に魏の種馬こと我らが隊長にもアレはキツイんかねぇ」
一刀が試着室に入って数分、3人はなかなか出てこない一刀に痺れを切らした様子を見せていた。
「あ、でてきたよー?」
沙和が挙げた声に凪、真桜も振り返り・・・そのまま固まった。
「・・・・・・・・・・」
「あ、あの・・・、やはり変かな?」
「・・・・あの・・・・・・隊・・・長?」恐る恐る凪が尋ねる
「・・・あぁ」半ば照れて、半ば緊張した面持ちで一刀は返した。
「たいちょーかわいー♪」
「隊長・・・自分、ほんまは女ちゃうんか?」
- 785 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:24:08 ID:D+kV9YeB0
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沙和と真桜が黄色い歓声を上げる。
実際、目の前に立っているのが北郷一刀だと、いや、男だと初見で見破れる
人間はいないだろう。
理想的な運動量が作り出す均整の取れたボディバランス、男性としてはやや
狭めの肩幅、鍛えられた筋肉質のしかしながら無駄な肉のついていないしなやかさを
感じさせる両腕にすらりと伸びた足。
そんなある種理想的なプロポーションに加え短い髪を補う付け髪が作り出す輪郭は
遠目には女性としては高めなその身長も手伝って何かのモデルにしか見えない。
加えてその表情はもともとの中性的な顔立ちから本来ならば女性としては凛々しさが勝るが
女装を部下に見られている、という状況がある種の気弱な少女のような雰囲気を醸し出し
フリフリのゴスロリドレスが与えるコケティッシュな魅力とあいまって身長故の男性的な
雰囲気を見事に中和し、どこかおっとりした、箱入りのお嬢様のような印象を与えていた。
「こ、これは・・・犯罪です」
思わずして一刀と目が合った凪は何かをこらえるように鼻を押さえしゃがみこんだ。
「ちょ、凪、堪えぃ!それは某軍師様の専売特許や」
真桜が凪の肩をつかみぶんぶんとその身体を揺らす。
「もしかして、似合ってる?」
「そりゃもう・・・犯罪的にな」
必死に鼻血を堪える凪を診ながら一刀の言葉を真桜が返す。
「いや、ホンマに笑いを取るつもりが・・・」
- 786 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:25:36 ID:D+kV9YeB0
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「隊長!!!」
洒落にならんことになってもうた。という真桜の言葉をさえぎり沙和がその目をキラキラと
輝かせて一刀に声をかけた。
「な、何だ?沙和」
「こんなにかわいいんだものー、お化粧もしないとー!!!」
「いぃっ!?」
「どうして驚ろくのー?女の子がお化粧するのは当たり前なのー」
「女の子って沙和、俺は男・・・」
「こんなにかわいい子が男の子なわけないのー!!!
それに隊長、女の子が俺なんていっちゃいけないのー!!!」
一刀の言葉を頭ごなしに否定し、その手を掴むと一刀を店の奥へと引きずって行く。
「おいっ!真桜!凪!」
「沙和がそうなったらもう無理や、観念し」
沙和の瞳はキラキラを通り越して眼鏡の奥でリュンリュンとなるとが回っている。
そんな雰囲気を鋭く察知し、一刀の救いを求める声に真桜は死刑宣告をくだした。
どなどなど〜な〜
そんな歌が聞こえてくるような光景を見送り真桜はこの一日が予想外に長いものになりそうだと、
確信に近い予感を感じていた。
- 787 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/18(日) 02:27:19 ID:D+kV9YeB0
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投下完了
こんな小ネタにずいぶん時間を・・・
別にトランプでも花札でも何でもよかったんだが中国なので麻雀
wikipedia曰く、麻雀は19世紀ごろ発祥のゲームらしいからこんなことありえないんだけどね
でも数え役満3姉妹とかいるんだしいいじゃん?
別に麻雀打てるわけじゃないので怪しげな部分があるかもしれぬ。
女装後の騒動ネタも考えてたけど力尽きた。