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555 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:05:51 ID:e3AgCJ6C0
あ、他に投稿なければ袁術ルート続き投下してもよかですか?
10レスぐらいです。
559 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:11:18 ID:e3AgCJ6C0
───荊州某所

「あの、すいません・・・」

「なんだお前は?」

「ここ、孫策さんの陣ですか?」
野営地入り口前にいる、いかつい兵士に話しかけてみる。
味方の兵士で見慣れてても、やはり他勢力の兵士は怖い。

「そうだが、なんだお前は?」

「えっと、俺は南陽の袁術からの使いのものなんですけど
 孫策さんに面会させてもらえないですか?」

「はぁ? 何言ってんだお前? 使者がそんなおかしな格好で供もつれずに
 一人でくるはずがないだろう。 ほら 帰った帰った!」
シッシと手を払いのけられる。

「いや、見かけで判断しないでよ! ほんとに袁術の使者なんだって!」
やばい、面会できずにおめおめ戻ったら二人に何言われるか・・・

「あれれ〜 どうしたんですかぁ〜?」
陣の中から妙に間延びした女性の声が。

「ハッ! 陸遜さま! 実は怪しい風体の者が袁術軍の使者と名乗っており
 孫策さまに面会させろと申しております。」

「袁術さんの使者ですか〜〜?」
陸遜と呼ばれた女性が陣の中からひょっこりと顔を出す。
560 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:11:57 ID:e3AgCJ6C0
「あらららら〜 ホントに変な格好してらっしゃいますね。
 でも大丈夫ですよ、この御方は多分ホントに袁術さんの使者ですよ〜」

「え?」

「はじめまして〜 そのテカテカの不思議な光沢の服、聞いた事がありますよ〜
 袁術さんのところに舞い降りたという天の御使い様ですね?
 私は姓は陸、名は遜、字は伯言・・・ 孫策様の元で軍師をしています〜」

「あ、どうも。 そっか、知られてたんだ。 改めて俺は北郷一刀・・・」
いや、しかしこれは・・・

「姓が北郷、名が一刀ね・・・」
なんと言うか・・・デカイ・・・

「袁術の使者として、孫策さんに面会を申し込みたいんだけど・・・」
七乃さんも服の上からしか見た事がないけど、
大きさも形も申し分ない美乳と思ってたが・・・

「あの〜 北郷さん?」
これは・・・美羽はもう何というか単位が違う。
爺ちゃんがいってたっけなあ。
男は広く物事を見ろって。南陽しかしらなかった俺は
なんて視野の小さい奴だったんだろう。

「北郷さ〜ん!」

うおっ ビックリした!?
「はははい! なんですか!?」
初対面の女性相手になんて失礼な事しちゃったんだ俺。
561 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:12:29 ID:e3AgCJ6C0
「もう〜 どこ見てしゃべってんですかぁ〜」
やばいバレてる!?
別のところに目がいって気がつかなかったが、その、なんだ。
子犬のように愛嬌のある可愛らしい顔立ちに
その肢体とのアンバラスが実に・・・は!?

「いやいや!?、何の事やらさっぱり! 
 って・・・それで陸遜さん、孫策さんに取り次いでもらえないですか?」
・・・なんとか場をごまかして本題に・・・

「孫策様にですか〜・・・うーん 少しお待ちいただけますかぁ?」

「あ、うん。 突然訪れたのはこっちだし、勿論待つよ」

「はい それではぁ〜♪」
563 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:14:07 ID:e3AgCJ6C0
───孫策陣内

「天の御遣い〜? 袁術もずいぶんと胡散臭いのを送ってよこしたわね。
 それで、穏。 その御遣い君はどんな子なの?」

「はい〜 お名前は北郷一刀さんと言いまして〜。
 ちょっとお話した限りじゃ面白そうな人だし、悪い人にも見えませんでした〜♪」

「しかし。 堅殿を失い、勢力も衰退した我らに、今更袁術が何の用だ?」

「・・・・・・恐らく、我らの窮状に付け入って恩を売り、
 あわよくば孫呉の残兵を取り込もうというのでしょう。」


「まぁ そんなところでしょうね〜」

「・・・孫呉も侮られたものね」
雪蓮は悔しげに唇をかむ

「でも雪蓮。今の我らは拠る地も持たぬ放浪軍よ。
 何れは軍資金も兵糧も尽きるし、孫家の再興を目指すなら、
 袁術を利用する事も選択肢に入れなければならないわ」

「わかってるわよー 冥琳」

「じゃあ 北郷さんとお会いしてみますかぁ?」

「ええ、会いましょう。生の天の御遣い君てのもちょっと興味わいてきたし」

「は〜い♪ それじゃ北郷さんをお通ししますね〜」
穏はトテトテと場を離れ、北郷を呼びにいった。
564 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:15:36 ID:e3AgCJ6C0
───再び孫策陣内
「北郷さんをお連れしました〜」

陣内に通され、中央の天幕の中に陸遜さんが声をかける。

「いいわ、お通しして。」

「は〜い でわ北郷さんどうぞ〜」

う〜緊張する。
でもここにとどまってるわけにも行かない。
意を決して天幕の中へはいる。

「いらっしゃい 天の御遣い君」
俺より2、3年上かな?
少しキツメの顔立ちに褐色の肌、煌く髪。
・・・確かに美人だ。
でも気さくな挨拶とは裏腹に、射抜くような視線。
直感的にこの人に嘘は通じない、そう思った。

「はじめまして、北郷一刀です。袁術の遣いで参りました。」

「私は孫策、字は伯符よ、左が軍師の周瑜。
 右にいるのが将軍の黄蓋よ。」

「儂は黄蓋じゃ。北郷殿、以後見知りおいてもらおう」
妙齢の女性はぶっきらぼうに黄蓋と名乗る。
なんという威圧感。
そして別の部分もひときわ存在感・・・!
565 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:16:39 ID:e3AgCJ6C0
「周瑜という。軍師としてこの会談に同席させてもらう。」
長身の女性が静かに答える。
長い黒髪に、褐色の肌、この人もすごい。
孫策さんが小さいわけじゃない。
だが、左右を周瑜さんと黄蓋さん、俺の後に天幕にはいった陸遜さん。
この位置取りはまさにバミューダトライアングル、目が吸い寄せられる・・・!

「御遣い君、今すっごく失礼なこと考えてなかった?」
やばい、孫策さん目が笑ってない。

「すいません! 何でもありません!」

「まあいいわ。それで、用件はなに?」

さあ、気を取り直して本題に入ろう。
「はい、袁術は孫家の皆さんを南陽にお迎えしたいと申しています。」

「慣れない言葉遣いはしなくていいわ。楽に話しましょう?
 袁術ちゃんが私たちを招いてるのはわかったわ。
 でもまさか宴のご招待でもないでしょう?」
まどろっこしいのは抜きに本音でこいって事か。

「ありがとう。まあ、そうだね。」

「ならどういう意図かしら?」

「美羽・・・袁術は孫策さんたちを配下にしたいと考えていると思う。」

「なんだと?」
黄蓋さんが色めきたつ。

「北郷殿、それを我らが飲むとでも?」
567 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:18:35 ID:e3AgCJ6C0
周瑜さんも鋭いまなざしをこちらに向ける。
だが、ひるむわけには行かない。

「・・・正直、思わない。」

「そうね。孫家が袁術ちゃんの家臣になれというなら答えはいいえよ。
 それで、君は無駄だとわかってる事を言うためにわざわざ来たのかしら?」

「そうじゃない。俺は孫策さんに提案があるんだ。」

「・・・へえ 是非聞きたいわ。有益な提案であるならね」
孫策さんの視線は俺の目を射抜くようにあわされてる。
気圧されるが、ここで逸らす訳には行かない。

「袁術軍は孫家再興の後押しをする。その代わり、
 それまでは家臣でなくてもいい。客将として袁術軍に孫呉の力を貸して欲しい。」

「・・・そんな約束、袁術が承諾するとでも?
 失礼だが北郷殿、そんな保証があるのか?」

「それは・・・信じてもらうしかない、かな」
周瑜さんの疑問は当然だろう。
散り散りになった孫呉の兵を集め、再度楊州を纏めるだけの軍備を整える。
楽な話じゃないし、いくら袁家の経済力でもそんなに簡単なわけがない。

「そうね・・・信じるためには条件があるわ
 御遣い君、あなたその条件を、私の前で袁術ちゃんに飲ませる事が出来たら
 信じてみてもいいわ。 できる?」

「雪蓮・・・!」
「策殿!」
568 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:19:47 ID:e3AgCJ6C0
美羽は代々の名門の家柄、孫家は孫堅さんが一代で築き上げた、いわば成り上がり。
何の得もない話に見えるだろう。でも俺は知ってる。
この人たちと良好な関係を築くことは、美羽にとって大きな力になる。
どんな手をつかっても、やるしかない!

「・・・それで孫策さんが信じてくれるなら、やるよ」

「決まりね。冥琳、祭、南陽へ行くわよ。支度なさい。
 穏、あなたはここでお留守番、誰か残って兵を纏めていないとね」

「ちょっと雪蓮・・・」

「・・・勘よ。御遣い君、ここに入って来た時はどこの腑抜けかと思ったけど
 最後にまっすぐないい目をしたわ。これが根拠。」

「え〜 私も北郷さんが袁術さんを説得するところみたいですぅ〜」

「まあよいではないか。策殿が決めたなら儂に異存はない。
 策殿の言うように、こやつ最後に男の目をしおったわ。」
豪快に笑う黄蓋さん

「はぁ・・・雪蓮・・・言い出したら聞かないんだから。
 わかったわ。私も北郷殿の覚悟を見届けよう。」
不承不承頷く周瑜さん。

こうして俺たちは陸遜さんを残して、4人で南陽へ向かった。
569 名前:21[sage] 投稿日:2009/01/16(金) 02:20:29 ID:e3AgCJ6C0
今日は以上です
支援ありがとう!

中々話が進まなくてすんません。

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