- 28 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 01:58:22 ID:EmlmbpG10
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息抜きがてらに、魏ルートの現実へ帰還後の一刀さんの様子
(日記風?)を考えてみた。
設定としては、
・戻った日は、魏の外史へ行った日の翌日である。(日付は適当)
・魏の外史に行ってる間の記憶は吹っ飛んでる。
やっつけな上に10レス程度なんだけど、投下してみてもいい?いい?
…エロは無いケド。
- 30 名前:一刀日記1/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:05:06 ID:EmlmbpG10
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○月20日(火)
朝起きると、制服のまま床に寝ていた。
何故だ。
しかも身体が妙にホコリっぽいというかザラついてる気がした。
何故だ。
仕方ないのでシャワーを浴びてから行くことにしたが、
何故か物凄く久しぶり……という感覚がこびり着いて離れない。
もう何が何だか分らないが、とりあえず文明の利器に感謝しておこう。
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今日は会う人会う人から「昨日となんか雰囲気違うね。何かあったの?」と言われた。
何なんだ一体。
○月21日(水)
部活で一度も勝てた事のない先輩に、いきなり勝負を挑まれた。
「今までのお前とは気配が違う」と言われたが分けがわからん。
結果は、何故か圧勝出来た。
手でも抜かれていたのだろうか?
- 31 名前:一刀日記2/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:07:34 ID:EmlmbpG10
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○月22日(木)
今日も部活で先輩に挑まれた。
「今日は負けねぇ」って言っていたので、
昨日は別に手を抜いていたわけでは無いようだ。
結果は今日も圧勝。
春蘭の足元にも及ばない。
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部活の後輩に気合いが足りない気がする。
凪の爪の垢でも飲ませてやりたい。
………あれ?……春蘭と凪って誰だったか。
○月31日(土)
及川に、今話題になっている三国志の映画に誘われる。
ヤローと映画かよって思いもしたが、
興味を引かれたので行く事にした。
明日が楽しみだ。
………及川がじゃないぞ?映画の内容がだぞ?
- 32 名前:一刀日記3/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:09:24 ID:EmlmbpG10
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△月1日(日)
あの野郎、彼女つれてきやがった。
自慢したかっただけらしい。死ねばいいのに。
映画の内容も、曹操がまるで小悪党な感じ作られていたのが、
何故か気に入らなかった。
△月2日(月)
昨日の映画の内容が頭から離れない。イライラする。
曹猛徳が目指した天下統一は、民達の事を思っての事だった。
彼女は真に大陸の安寧を求めていたのに。
……まぁ、歴史物なんて、作り手によって解釈は色々かわるのだから、
気にしても仕方ないのだけど。
……ってあれ?…………彼女?
△月5日(木)
……最近、凄く凄く大切な事を忘れている気がしてならない。
決して忘れてはいけない、大切なもの……。
- 34 名前:一刀日記4/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:12:32 ID:EmlmbpG10
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△月7日(土)
今日は野良らしい猫を見た。最近はあまり見なくなったなー。
なかなかに人懐っこい猫で可愛らしい。
とりあえず、風と名づけておいた。
△月10日(火)
昨日の深夜映画で、某海兵映画をやっていた。
あの罵詈雑言の数々……
デジャヴュというか、実際に言われたかのような感覚が…
大丈夫か、俺?
△月14日(土)
以前観に行った三国志の映画が今日最終日らしく、
なぜ前に観終わった時、あんなにイラついたのか。
それを確かめようと思い立って、もう一度観に行った。
観終わった時、気づいたら泣いていた。
そして、ようやく解った。
彼女の覇道が穢されたように思えたのが、許せなかったんだと。
彼女の側で、彼女の覇道を見届けた者として。
全部、思い出した。
- 35 名前:一刀日記5/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:14:27 ID:EmlmbpG10
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○月20日(水)
『あれ』から一年が過ぎた。
もう一度行きたいと願っても、いけるはずも無く。
たまに、あれは全部夢だったんじゃないかと、思ってしまうことがある。
──まるで、それこそ胡蝶の夢のように。
けれど、その度に思い出すのは彼女の言葉──。
『ただ、どうなったとしても……この光景だけは覚えておきなさい』
──覚えているよ。
『あなたじゃなくても、この世界が夢か現か幻かなんて、この世の誰にも分からないわ』
『けれど、あなたがした事は……この街にあなたがもたらしたあなたの働きは、あなたの中に必ず残る』
『例えあなたが私たちの前から消えたとしても、あなたの真実として。そして、私たちの現実としてね』
──ちゃんと、残っているよ。
──俺の真実は、今でも『ココ』にある。
『あなたは役目を果たしたの。それは……人として誇るべき事よ』
──分かっているんだ。……だけど……
……俺はもう一度、キミに逢いたい──。
- 36 名前:一刀日記6/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:16:19 ID:EmlmbpG10
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○月24日(日)
ハゲ頭に横髪だけを三つ編みにした、巨漢の筋肉ダルマに抱き着かれた。
思い出しただけでも鳥肌が立つ。
「お久しぶりねん!ご主人さまぁ〜!」
などと言われたが、今も昔もあんな知り合いは居た覚えは無い。
……なのに、少し懐かしいと思ってしまった。
………俺はもうダメかもしれない。
○月28日(木)
筋肉ダルマ──貂蝉って名乗っていた──にまた会った。
「もしももう一度『外史』に行きたいのなら…今夜零時、校庭までいらっしゃいな。
ただし……次はもう戻れないと思ってねん」
それだけ言って、筋肉ダ……じゃない、貂蝉は去っていった。
『外史』……多分…いや、間違いなくあの世界だろう。
何となく、それだけは確信できた。
……行くべきか、行かざるべきか。
……なんて、考えるまでもないよな。
- 37 名前:一刀日記7/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:18:15 ID:EmlmbpG10
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深夜0時より少し前、当然のごとく閉まっている校門を乗り越える。
見つかったら怒られるどころじゃないよなー。
何て事を考えながら校庭へ向かうと、そこには既に筋……貂蝉がいた。
「いらっしゃい。ご主人様なら来ると思っていたわ。
……この世界とお別れする覚悟はいい?」
「……ああ。
それよりも……どうしてキミがあの世界のことを知ってる?
そしてどうして、俺をあっちに送ることができる?
そして何より、そのご主人様ってのはなんだ!?」
俺の当然の疑問に、貂蝉は手を口元に当て、
「うふふっ♪ご主人様…漢女にはヒ・ミ・ツがいっぱいなのよん♪」
気持ち悪く笑いやがった。
「…まあいいや。ホントに出来るんなら……貂蝉、よろしく頼む」
「お・ま・か・せ♪
……じゃあご主人様、ちょーっと目を瞑っていてねん」
貂蝉の言葉に頷き、目を閉じる。
──華琳…皆……今行くよ。
「ではご主人様。……幸せになって頂戴ね」
そんな貂蝉の……少し涙ぐんだような感じの言葉と同時に、俺の意識は途切れた。
- 39 名前:一刀日記9/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:21:04 ID:EmlmbpG10
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「──あれは!」
執政室の窓から見えた『それ』に、思わず声を上げてしまった。
『それ』をよく見ようと、窓から身を乗り出し『それ』の行く先を確かめる。
「近い……!」
行かなければ……そう思って振り返ると、周りに居た文官たちが、
驚いた顔をして私を見ていた。
「なんでもない。
お前達は仕事を続けなさい。私は少し出てくる」
「…………!」
部屋から飛び出した私に、文官の誰かが何か言っていたようだけど、
もう私の耳には入っていなかった。
廊下を通り、中庭を抜け、城門へ向かう。
城の大きさが、これほど煩わしく感じたのは初めてかもしれない。
「誰かいるか!……私の馬を持て!」
城門付近に居た兵士にそう命じて、愛馬が来るのを待っていると、春蘭と秋蘭が駆けて来るのが見えた。
「華琳様!……いかがなさいましたか?」
「華琳様が突如出て行かれたと、文官たちが慌てておりましたよ」
……そういえば、初めてあいつと会った時も、この三人だったわね。
「東の空から飛来した流星が落ちるのを見たわ。
……二人とも、付いてきなさい」
『……はっ!』
私の言いたい事を悟ったようで、そう勢い良く返事をした二人は、馬を連れに走っていった。
……とりあえず……思いっきりひっぱたいてやるんだから。
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- 41 名前:一刀日記10/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:24:50 ID:EmlmbpG10
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背中……っていうか身体が痛い。
貂蝉の野郎、何しやがった。
とりあえず目を開けると、抜けるような青空が目に入った。
「あー……朝まで気失ってたのか?」
思わずそんな呟きが漏れてしまった。
ひとまず身体を起こし、寝てるところ誰かに見られてないよな?なんて思いながら回りを見渡す。
そこには、校庭──ではない。けれども見知った光景が広がっていた。
遥かな地平と、およそ日本とは思えない山並み。
「………………………………」
念のためもう一度目を閉じて、開く。
頬をつねってみる。……痛い。
「………………………………はぁ」
どれだけ念を入れて確かめても、変わらず底にある風景に、思わずため息が漏れた。
「……本当に帰ってこれたのか…」
もう一度、改めて周囲を見渡すと、遠くに街が見えた。
どおりで見たことのある風景だと思ったら……あれは許昌か。
新兵の訓練や模擬戦で、この辺はさんざん走り回ったもんなぁ……。
「とりあえず行ってみるか……」
そうひとりごちて、街へ向かうことにする。
──そして、しばらく歩いていると、街の方から騎馬が駆けて来るのが見えた。
数は……三騎。
そしてそれが誰か分かった瞬間、俺は走り出していた。
騎馬は俺の少し前で止まると、中央の一騎から飛び降りた少女が、駆け寄って来る。
……そして、彼女は俺の胸に勢い良く飛び込んできて──
- 42 名前:一刀日記11/10[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:25:45 ID:EmlmbpG10
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「ただいま……華淋」
「おかえりなさい……一刀……」
強く強く、彼女を抱き締める。
もう二度と、離さないように。
もう二度と……この温もりを無くさないように──。
END
- 44 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:27:33 ID:EmlmbpG10
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お兄さん、終わりですよー。10かと思ったら11でしたねー。
ってことで、お目汚し失礼しました。
あと支援してくれた>>33>>38>>40さんありがとうでしたー。
- 48 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/11(日) 02:41:43 ID:EmlmbpG10
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街や城の衛兵振り切った一刀が、群議中の華琳の所に乱入
→人目もはばからずに泣きつく華琳
なんて終わり方もいいかなーって思ったんですけどね。
でもまあ自分から動いてこその華琳様ですしねw
>>47
自分の中の貂蝉曰く
「私の幸せは、ご主人様が幸せであることなのよん☆」
とのことですww