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987 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 21:57:24 ID:27v+hyVw0
>>980
どうもキャラを掴みきれてない感じがするのだが…
ハム√予告編でいいならここにいるぞー!
キャラに違和感があったら容赦なく突っ込んでくれい。
5〜6レスで終わると思うんで支援はいらんと思う…多分
>>986
正直期待せざるを得ない
988 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:00:43 ID:27v+hyVw0
[序]
 幽州は五台。
 その麓に、物々しい雰囲気の一行がいた。

 彼らのいずれもが、武具を持ち、鎧を身にまとっている。
 とはいえ、その足並みは比較的統率がとれており、近頃の混乱に乗じ騒ぎを起こす野党とは異なることはわかる。 
 兵士。それも、群の長官に率いられた者達だ。

 中心にいるのは白い馬に乗った少女である。
 彼女の鎧は、周りの兵達と明らかに設えが異なる。
 女性用の鎧、というだけではない。
 使っている素材、細かな細工。そのいずれもが明らかに値の張りそうなものだ。
 が、彼女の風貌や人柄がなせる業か、それらの鎧は決して嫌味なものには見えない。
 そのようなことを言えば、どうなるかわかっているので、周りの者は言わないのだが。
 言ってしまえば―――少々地味にすら見える。勿論、それがいいか悪いかは別として、だ。

 と、少女が馬を止め、それに習い、周りの兵達も足を、あるいは、馬を止める。

「この辺りか…」
「はっ。
 町の者達も、五台山の麓に星が落ちた、と口を揃えて言っております」
「そうだな。皆、手分けして探してくれ」

 白い馬に乗った少女の言葉に、数十名ほどの兵達は散る。
 その場に残ったのは彼女と、数名の兵だけ。
 …ほどなく。兵が一人駆けてきた。

「お、男が一人!
 見たこともない格好の男が一人いました!」

 同時に、少女に周囲にいた者達から、感嘆の声があがる。
989 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:02:00 ID:27v+hyVw0
「ほう…本当にいたのだな」
「い、いかがいたしましょう!」
「占いから出たものとはいえ、世にそれが風聞として広まっている以上、捨て置けんな…」
「連れて来い!」
「はっ!…しかし、いかがいたしましょう…?」

 そこで初めて、少女が口を開く。

「ん?どうした?
 わざわざ二回聞くことでもないだろう?」

 特に、気負いのない…そして、威厳もあまり感じられない言葉。
 しかし、彼女から声をかけられたことに気づいた兵は慌てて平伏し、自身が見てきたことを告げた。

「そ、それがその…寝ているのです」

 その言葉に、彼女は眉をひそめただけ。
 代わりに声を上げたのは、周りにいた、兵達であった。
990 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:02:53 ID:27v+hyVw0
「なんだと!?このような荒野でか!」
「ば、馬鹿な…この付近には野党もいるというのに」
「なんという度胸だ…」
「服もどこか光を放っているようでして…触っていいものかどうか…その、私には皆目見当もつきません」
「も、もしや本物の天の身遣いとでもいうのか…?」

 兵士達の間でどよめきが広まる一方。
 こっそりと溜息をついて。
 もう一度、訝しげな表情で眉をひそめ。少女は、頭に手を当てた。

「厄介なものを拾ったような気がするなぁ…」

 こっそりとつぶやいたその言葉を。
 この先何度も繰り返すことになるとは―――少女は、知るはずもない。

 少女の名は公孫賛。字は伯珪。
 その肩書きはともかく、容姿はごく普通の美少女であった。

■■■
991 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:04:16 ID:27v+hyVw0
 要するに、それは普通の話。
 特に目新しいわけでも、特に素晴らしいわけでもない。
 そう。巷にはよくある話。

「…えっと」
「ふーん…」
「…どうかした?」
「いや、それっぽくないなぁと思ってさ。
 天の御遣いってぐらいだから、後光の一つや二つ、あると思ったんだが」
「いやいや、俺普通の人間だから」

 普通の少女と普通の少年が、出会った。
 始まりは、それだけのこと。
992 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:06:13 ID:27v+hyVw0
 まあ、本人達が普通であろうが、周りが普通でなければどうなるか。
 なんとなくわかりそうなものであるが。

「ほほぅ…話がわかりますな。
 して、北郷殿。次の策は?」
「だからお前、なんで私を無視して話を進めてるんだよ」
「これは失敬。
 とはいえ、伯珪殿の打つ手は、あまりに平凡にすぎる。
 たまには奇策に乗りたくもなるというものです」
「定石ってのは大事だと思うんだけどね、うん」
「平凡って言うなー!?」

 黄巾の乱。反董卓連合。
 劉備に助力したり一番乗りしてみたことで、少しは目立てた…けれど。
 彼女は結局、今ひとつ影が薄かった。

「…で。なんでアンタの召使いなんてボクがしなきゃいけないのよ!」
「そりゃあその格好してたらメイドするしかないだろ」
「わけわかんないことを言ってんじゃないわよ!!」
「…あの、白蓮さん。掃除、終わりました…」
「いつも助かるよー。
 ウチは本当に人手が足りなくてさ…あ、北郷に預けた書類、知らないか?」
「……はい、ここにまとめてあります……」
「ああっ!?月がいつの間にかすっかり馴染んでる!?」
994 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:08:41 ID:27v+hyVw0
 仲間は少しはいるけれど。やっぱりどうしたって人材不足。
 弱小国家が標的にされるのは…まあ、乱世ではやっぱり、普通の話。

「な、なんだって!?」
「国境がもう占拠されたか…早いな」
「そりゃ馬鹿でも名家だからね。
 兵の多さと名声の高さは伊達じゃないでしょ」
「な、なに落ち着いてるんだよ北郷!
 このままじゃ…」
「…大将が浮き足立ってどうするんだか」
「ぐっ…!?」
「まあ…俺の世界だと割と有名な話だから。
 とはいえ、ここが正念場か…うーん…何か策はある?俺の軍師殿」
「軍師はあんたでしょ。
 ってかさらっと俺のとか言うなーーーーーーーっ!」

 と、いうわけで普通の人が頑張って普通に天下統一を目指す普通のSS。
 真・恋姫無双外史、公孫賛ルート。…もとい、その他の軍ルート。
 具体的には月とか詠とか恋とか粥とか天和とか天和とか天和とか。

「まあ白蓮なら大丈夫だろ。
 普通にやってくれるさ」
「まあそうね。普通にやるでしょうね」
「あの…その…普通って、すごく大事なことだと思います…」
「普通って言うなー!?」

 普通と言い杉と言わざるをえない。
995 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/09(金) 22:11:00 ID:27v+hyVw0
以上で投下終了。
こんな感じのSSを書いていたりします。
それにしても真のハムさんが可愛すぎて困る。
あと詠は真でデレすぎ。ツン:デレが8:2ぐらいになったと思う。
もし皆様の口にあえば、また投下させていただきます。それでは。

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