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632 名前:エロ本[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 00:18:35 ID:LoqOYRS00
>>631
あと、書き方が普段と違うから私が慣れてないせいもあるかも。
まぁ、そんな事は置いておいて、さらにさらに投下。……実は、SSはカウントダウンのおまけだったり。
終わりには、=了=発売まであと三日をつけます。




 姉者が暴走した。
 いや、いつもの事と言えばいつもの事だが、正直、今回の暴走はあまり好きではない。
 頭を触ると、ドロリとした白いものが垂れてくる。いやな感触だ。こんな物にきっと私は塗れているのだろう。
 見れば、華琳様や桂花をみると、それが容易に想像できる。
 ああ、華琳様の口元が痙攣してる。怒っているな。でも、そんなのを関係ないように姉者は叫んでいた。

「こんな酸っぱいだけの味のものが食えるかー!」
 朝食の『よーぐると』という食べ物の皿をひっくり返しながら。


『新世界にて〜秋蘭の場合〜』
633 名前:エロ本[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 00:22:40 ID:LoqOYRS00
 朝からなれない食事をしていると、姉者が暴走した。
 事の顛末だけを話せばきっとこうなるのだろう。そして、結果として私達の頭に『よーぐると』がぶちまけられたと。
 まったく、迷惑な話だ。そして、その原因が……。
「姉者」
「何だ?秋蘭」
「それは砂糖を入れるものだ」
姉者の自業自得ならば尚更だ。まったく、先日に北郷殿が教えたというのに。
「し、仕方がないだろ!」
「春蘭?」
 姉者の後ろから声がする。しかも不気味な声で。
「か、華琳さま?」
「お仕置きが必要のようね」
 頭に『よーぐると』を被りながらも、目が不気味に光っている。
「ああ、華琳様」
 桂花はそのかかっている『よーぐると』を舐めることで綺麗にしようとしている。
 私もそうやって華琳様を綺麗にしたいとは思ったが。
「か、華琳様ぁ」
 姉者の方もお仕置きを心待ちにしている。
 少し羨ましいが、今私がやるべきことは別にある。
「あれぇ?秋蘭様。どうしたんですか?」
「季衣、少し外に出ようか?」
「少し、姉者がお楽しみなのでな。邪魔をしてはいけないだろう?」
「ああ、なるほど!」
 とりあえず、目の前にいる少女に、姉者の痴態を見せないこと。今日は少し激しそうだからな。
634 名前:エロ本[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 00:29:15 ID:LoqOYRS00

 外に出たのは良かった。
 いや、私自身もこれは正確な判断であると自負している。だが……神とは皮肉なものだな。
「お前なんてチビのくせにー!」
「へへーん。ペタンこには分かんないのだー」
 外に出た先に待ち構えていたのは鈴々であった。そこまでいえば、後の経緯は例え姉者とて分かるだろう。
 これについては、白黒をはっきりさせればいいのだが……。
「チビがなんで『後ろで気持ちのいいこと』をそんなに知ってるんだよー!」
「お兄ちゃんにしてもらったのだー!」
 こんな話題であるため、むやみに介入するわけにもいかなかった。
 どうでもいいことだが、北郷は一体何をしてたのか……気にしてもしょうがないか。
 とりあえず、この場にいても仕方がなさそうだ。
 しばらく経って、お腹がすけば静かになるだろう。その間に少し頭を冷やしてこようと、二人を置いて公園へと歩いて行った。
635 名前:エロ本[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 00:35:56 ID:LoqOYRS00
「ふぅ……」
 とりあえず、静かな公園につくと、誰もいないベンチに腰掛ける。
 平和だ。
 ただ、それを実感している。
 華琳様はこの世界に来ても、変わらず我々と繋がりを持っている。変わっていない。
 姉者や季衣、桂花も華琳様がいるならば、私も含めて必ず傍に仕えている。変わっていない。
 そして、変わったことと言えば……。
「鈴々や関羽と顔を合わせても……」
 ただ、呑気に喧嘩をする。華琳様も、姉者も、季衣も。
 私が弓を取る機会などもしかしたらもう無いのかもしれない。
「それはそれでさびしいが」
 武術に生きてきた。曹孟徳の手足と生きてきた。だが、今は華琳様の……。
「考えても仕方あるまい」
 すると、彼女はいつも持っていた弓を手に取る。幸い、この公園には人がいない。
 そして、近くに木に狙いを定める。
 矢を携え、狙いを定め、弦を引く。何度もやりなれた動作は体が自然に覚えている。
 この矢が、的でもなく敵陣で敵兵でもない場所に放たれるのは初めてかもしれない。
「……」
 これで最後の矢もいいかもしれない。そんな感情が私の中で巻き起こった。
 これから、どうなるのかなど分からない。分かるものなどいるはずもない。だから。
「とりあえず、斗詩に会いに行くか。季衣も猪々子に会いたがっていたしな」
 そう思うと、彼女は矢を放った。何かを断ち切るように。
 その音は、平和な世に酷くそぐわないものであった。

                  =了=発売まであと三日

…………orz

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