- 626 名前:エロ本[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 00:02:27 ID:W/IQ4vJ+0
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>>624の要望を平気で裏切る私が再び登場です。
終わりには『=了=発売まであと四日』を付けます。
この世界に来て、あいつに感謝することはたくさんあった。
ボクも月も幸せだったから。そいて、これからも幸せでいられるから。
- 627 名前:新世界にて〜詠の場合〜@エロ本[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 00:07:41 ID:d4vxrMIa0
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『新世界にて〜詠の場合〜』
「賈駆っち! 今日も一緒に買い物にいこー!」
「はぁ?」
この世界の学問が終わると、急に霞がボクに話しかけてきた。
正直な話、ボクは一緒に行く気はない。と言うか、昨日行ったばかりだし。
「ボクは……」
「はい。分かりました」
きっかり断ろうとするが、その前に月に了承されてしまう。
「詠ちゃんもいくよね?」
うう、ボクは詠のこの顔を見ると断れるはずもない。
「分かったわよ。月が行くんならボクもいく」
「ほな、決まりやなー! そや! 呂布ちんもさそおっか!」
ああ、もう駄目だ。ボクの心底そう思った。断る事は出来ない。
だって、月が「はい」と言っちゃったから。
- 628 名前:新世界にて〜詠の場合〜@エロ本[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 00:12:49 ID:W/IQ4vJ+0
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ただ、彼女の幸せな顔を見ているだけで幸せだった。
ただ、彼女の悲しい顔をを見ているだけで不幸だった。
「んー! やっぱ、この甘めのソースがええよなー!」
「……もぐもぐ(コクコク)」
『おこのみやき』という食べ物にかぶりついている霞と恋。
「そうですね〜。霞さんのおすすめの食べ物はおいしいです」
それに倣うように月もそれにかぶりついていたりする。ああ、あんなにかぶり付いて、喉に詰まらないかが心配だ。
「もー、月ったら……」
口に青のりが付いてるし。
そう思うと、ボクはハンカチを取り出して口を拭ってあげる。
「ったく……賈駆っちったら月ちゃんを甘やかしすぎやで」
「別に甘やかしてなんかない。ボクと月はいつでも一緒なんだから」
「……ご主人さまと一緒?」
「ちがーう! 何でち●こ男と一緒にされないといけないのよ!」
「もう、詠ちゃんったら」
だが、そんな様子を見て月は笑った。クスクスと笑っていた。
- 629 名前:新世界にて〜詠の場合〜@エロ本[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 00:17:58 ID:W/IQ4vJ+0
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知ってる。あいつのことも。月が願っている事も。
だから、ボクはこのままでいいと思う。
このまま、月のそばにいればいいと思う。
「こらぁぁぁぁぁ! 呂布! 張遼! 賈駆!」
「ぬぁ!」
「……!」
いきなり割り込んできた声に霞と恋は同時に振り向いた。恋はなんかおこのみやきを驚いて落としてるし。
「……また五月蠅いのが来た」
その声の正体を聞くと、ボクはため息をひとつ。
そして、振り向くとそこには肩で息をしている華雄が立っている。そういえば、あいつの存在を忘れてた。
「私を食べ歩きに加えんとは何事だ!」
「あー、堪忍してな。すっかり忘れてた」
「……(コクッ)」
「貴様ぁぁぁぁぁ!」
正直な告白に頭から煙が噴き出すほどの怒りを見せている。ややこしい事になった。
「ここまでコケにされては、武人としての面目が立たぬ! 今こそ勝負!」
あー、武器まで抜いちゃった。対する恋も……
「……(チャキリ)」
「ええよー! 呂布ちん! やったれー!」
食事を邪魔されたことに怒ってるし。あれは本気の目だ。霞も煽るのは得意で、恋を焚きつけている。
「ふっ……呂布。この私の武に立ち向かうとは、さすが一騎当千の武将。だが! 私も引くわけにはいかぬ」
華雄は華雄で勘違いしてるし。多分、あいつが騒ぎを聞いて来る前には勝負が終わってるだろう。
「月……ちょっと退避しよ」
月まで巻き込まれたらたまらない。そう言って手を引こうとするが……。
「二人とも頑張ってください! でも怪我をしたら駄目ですよー!」
そんな事を言って笑っていた。太陽みたいな笑顔で。
- 630 名前:新世界にて〜詠の場合〜@エロ本[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 00:25:49 ID:W/IQ4vJ+0
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あいつが月に望むのも、ボクが望むのも、一緒のもの。
それは月が笑顔でいる事だ。いつでも、こんな馬鹿騒ぎをして笑っていられる事だ。
だったら……いつものように楽しんでもいいかもしれない。
隣の笑顔を見ているのを。この笑顔でいられる毎日を。
=了=発売まであと四日
……次は魏か……間に合うかなぁ……orz