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981 名前:反省はしていない[sage] 投稿日:2007/04/17(火) 03:05:19 ID:pF/YoU4F0
遠くから彼がやってくるのが見える。
いつものように、彼のそばには多くの少女が競って纏わりついている。
そこは、私が心から求める安息の場所。そしてもはや叶うことのない夢、幻。
私は自分が何者かを知っている。生まれ落ちた、その理由さえも。
それ故に。私にはそこにいることは許されない事だと解ってしまってもいる。
全てが否定する。私が存在する理由も、体も、何もかもが―――私の、この心を。
幾度も忘れようと思った。けれどそうするほどに、私は自分の心という物をつくづく思い知らされた。
もう、耐えられない。
私のこの心は、私を苦しめるものでしかない。
そしてこの心こそ、私が私でいる理由。
導き出された答えはたったひとつ。もう彼の笑顔が、決して私に向けられないのなら。
ゆっくりと、柵を乗り越える。
迷いがないと言えば嘘になる。けれど、もう。

恋焦がれ、引き換えに全てを失ってもいいと思える、彼の元へ。
彼女は、その身を躍らせる。


「ご主人様、umeの木が咲き誇る公園があるそうなのです。一緒に行きませんか?」
「また抜け駆けかよー。ホントそういう所はしっかりしてるよな」
「ぬ、抜け駆けとは人聞きの悪い。私はただな」
「喧嘩はするなよ。皆で行けばいいじゃないか。そっちの方がきっと楽しいぞ」
「そう言われるのでしたら……私に否はありません」
「はは、また埋め合わせはするよ。それじゃ、また後で」
「……はい! ご主人様。それではこれで」
「また放課後な。……ん、なんだ? 急に暗く……」
「……っ! ご主人様、避けて! 危ない!」
「え?」

「…………いやあぁぁ!!」

〜病姫†無双 貂蝉 BAD END 完〜

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