暖かな日差しの中、鳥達が楽しそうにさえずっている。
ここは一刀達が本拠を構える城から少し離れた森の中。
とても戦乱の世とは思えぬのどかな世界に、二人はいた。
「はぁはぁ。ちょっと待って、恋〜」
「………………………………………」
遅れている一刀を、無言でただ見つめる恋。
恋が見せたいものがあるというのでついてきたところ、馬では登れないような急な坂をえんえんと登らされる羽目になった。
「……………………………もう少し」
「そか。よーし、もう一ふん張りだな、ふぅ」
息も絶え絶え、ようやく着いた先はまるで自然の展望台。
手近な岩に腰掛けると、本拠の城や城下町、そしてふもとに広がる平原から遠く海岸まで見渡せる。
これだけの地を治めている……自分がいかに大きな仕事に携わっているかをひしひしと実感する。
「すごくいい所だね。頑張って来た甲斐があったよ……ん?どうした、恋」
恋を見ると、ずっとこちらを見ていたその視線とぶつかってしまう。
「…………………………………膝枕」
膝枕?と疑問に思うが早いか、強烈な力で引き寄せられる。
ほとんど倒れこむような形で、気がつけば頭は恋の膝の上。
「ご主人様、こうすると、嬉しい?」
どうやら誰かに膝枕してもらっていた所を見られていたらしい。すこし気恥ずかしく感じながらも
「ああ、嬉しいよ。恋に膝枕してもらえるなんて、思ってもみなかったな」
せっかくなので、そのまま甘えることにする。
ずっとこうしていたい―――そう思わせるには十分。
こちらを覗き込む恋。普段は感情を読み取ることも難しいその表情も、角度のためか今はとても優しい笑顔に見える。
戸惑いがちにこちらの顔を、髪を撫でてくれる。
こちらも恋の膝に頬を寄せるようにして、その柔らかさを確かめる。
そういえば恋とこんな風に触れ合ったことはなかったな、と思う。
感触だけではない。なんだか懐かしいような、優しい、暖かい匂いもする。
肌に感じる、ふわりと沈み込むような、それでいてしっかりと形を保つ心地よい感触。
本当に食べてしまいたくなるほどの柔らかさ。
鼻をくすぐるいい匂いに、きっと誰もが引き寄せられてしまう。
にくまん、あんまんはもちろん、ピザやカレーも大好評。
―――そんな中華まんじゅうを、御家庭で。