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892 名前:左慈ss1[sage] 投稿日:2007/04/07(土) 00:40:30 ID:tdD09e3z0
某日某所
薄暗い寺院に怒声がこだまする。

「くそっ北郷め!」
「こちらは銅鏡の修復でクソ忙しいというのに、元凶のあいつは毎日毎日女共といちゃついているだと!?ふざけるなっ!!」
「あいつだけは絶対に許さん、考えうる限りの苦痛を与えて惨たらしく殺してやる・・・!!」
左慈は怒鳴る事で怒りを発散出来たのか、少し落ち着きを取り戻す。
「ふぅ、苛々していてもしょうがない。銅鏡の修復に集中するか・・・」
覗き道具(無断借用)を片付け、作業に戻ろうとするが、

ぐうぅ〜

「そういえば朝から何も食っていなかったな。干吉にでも用意させるか・・」
「干吉!!腹が減った、何か食い物を持って来い!!」
暗がりの奥に声をかけるが反応はない。
「おいっ返事をしろっ!干吉!!」
・・・・・・・
「チッ、あのゲイ野郎何してやがるっ・・・」
怒りをあらわに立ち上がろうとした瞬間、左慈の背後から鋭い風切音がきこえた。
「っ!?」
咄嗟に床に転がり回避し、その勢いを利用し起き上がる。
そのままバックステップで後退し、音の発生源を見る。
「(・・・なんだこいつは?)」
そこには全身を黒装束に包み、顔を仮面で隠した巨漢が立っていた。
「貴様、何者だ。此処に何のようがある?」
問いかけるが返ってきたのは沈黙だった。
「(くそっ!、なんなんだこいつは。寺院には結界を張ってある、侵入者が居ればすぐに気づくはずだ。こちらの探知を掻い潜り、背後につかれ、攻撃されるまで気配を感じさせない高度な隠密性。身のこなし、さっきの攻撃、
 たぶん蹴りだろうが俺と同じくらいの鋭さだった。おそらく戦闘技能も俺と同等かそれ以上。)」
「(戦おうにも一人では厄介だな。干吉が来るまでなんとかもたせられるか・・?)」
893 名前:左慈ss2[sage] 投稿日:2007/04/07(土) 00:41:50 ID:tdD09e3z0
目の前の存在を警戒しながら内心考えていると、何も反応がなかった相手が手に持った大きな"何か"を無造作に投げつけてきた。
武器の類かと身構える左慈の前に"何か"が「ドサッ」と音をたてて落ちる。
それに視線を移した左慈の目が見開かれる。
「なっ!干吉!?」
そこには体中から流れる血で白装束を真っ赤に染めた干吉が転がっていた。
すぐさまショックから立ち直り目の前を警戒しつつ干吉を自分の後ろにさがらせる。その際に辛うじて息があることが確認できた。
「貴様っ!!」
怒りをあらわに侵入者を睨みつける。
「もう貴様が何者であろうと、何が目的だろうと関係ない。貴様は敵だ、殺してやるっ!」
「死ねっ!!」
殺気を振りまき侵入者に飛び掛ろうとした、・・・・そのとき

ガンッッ!!

「がっ!」
後頭部が強い衝撃に襲われたまらず倒れ付す。
「(な、にが?)」
突然の攻撃、侵入者によるものかと考えるが奴ははじめの位置から一歩も動いていない。
「(まさか仲間が居たのか?)」
朦朧とする意識で背後を振り返った左慈は自身にむかって何かを振り上げる人影をみた。
その一瞬後、再度衝撃に襲われ左慈は完全に意識を失った。


続く・・・かも

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