- 171 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:14:43 ID:SRzOsH5d0
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「やれやれ、ようやく終わったか。」
今日は、一段と仕事の量が多かったな。
まぁ、昼間に抜け出して、街へ遊びにもとい警邏へ行かなければ
もっと早く終わってたんだろうけど。
それにしても、こんな時間までやっていたせいかあまり眠くならないな。
「ふむ・・・」
何かないものかと部屋を見回してると、ベッドの近くの徳利が目に付いた。
「この間、華琳からもらった酒で月見酒でもするかな。」
そう決め、徳利と杯を持ち部屋を出た。
「んー、やっぱり城壁の上かな。」
飲む場所を決め向かっていると
「あら、誰かと思えばあなただったの。」
前の方から声が聞こえてきた。
「ん?ああ、華琳か。どうしたんだ、こんな時間にこんなところで。」
向こうのほうから歩いてきた華琳を見つける。
「それは、こちらのセリフよ、ここの主ともあろう人がこんな時間に何をしているの?」
「さっきまで仕事をしていてね。終わったのはいいんだけど、
こんな時間までしていたせいか、眠気が沸かなくてね。」
「それで、その脇に抱えたお酒で一杯やる気ってわけね。」
「ご名答。華琳からもらった酒なんだがな、あまり飲む機会がなかったしな。
この機会に月を肴に城壁の上で一杯やろうって思ったってわけさ。」
脇に抱えた徳利を手に持って見せる。
「んで、華琳の方はどうしたんだ?」
「孫子の注釈書の編纂をしていたのよ。つい夢中になってしまってね、
こんな時間になってしまったってわけ。」
「ああ、前に暇つぶしでやっているって言っていたあれか。」
「そうよ。まぁ、完成したら見せてあげるわ。」
「ん、楽しみにしてるよ。」
つっても、俺には読んでもよくわからないんだろうが・・・
- 172 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:15:17 ID:SRzOsH5d0
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「さて、そろそろ部屋に戻ろうかしらね。」
「なんだ?付き合ってくれないのか?」
「私は、少し外の空気を吸いに来ただけよ。」
「いいじゃないか、ここで会ったのも何かの縁だ。
それに、一人で飲むより二人で飲んだほうが酒もうまいし、
華琳と二人だけで飲む機会ってのも中々ないしな。」
いつも、春蘭達がいるしな。たまには二人でいたいとは思う。
「ふふふ、この私に酌をさせる気?」
「もちろん、俺もするさ。」
「ふっ、まぁいいわ。でも、私は杯を持ってないわよ。」
「部屋に一回戻ってとってくればいいんじゃないのか?」
「そうしてもいいんだけど、桂花たちがついてくるかもしれないわよ?」
「ぬ・・・」
それは、あまり好ましくないな。特に桂花が来ると酒が飲めるか怪しいな。
色々言われて、華琳に酌をするだけになってしまうかもしれない。
どうしたものかなと考えていると、
「ああ、そうだわ。酒蔵の中になら杯があるわね。」
酒蔵のある庭の方を見ながら言う華琳。
「よし、んじゃ、先に蔵に行って杯をとってこよう。」
「うあ、さすがにこの時間じゃ中は真っ暗だな。」
月明りも酒蔵の中まではさすがに届いてない。
「問題はないわ。自分の蔵ですもの、どこに何があるかなんて把握してるわ。
しばらく待ってなさい。」
と言って、蔵の中に入っていく華琳。
「わかった、気をつけてな」
・・・・・・・・・・
ふむ・・・しかし、でかい酒蔵だな。
華琳が戻ってくるまでもう少し時間あるだろうし、
少し回りを見てみるか。
- 173 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:16:21 ID:SRzOsH5d0
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「あら、一刀、どこ行ったの?」
「ああ、こっちだこっち」
辺りをきょろきょろ見回している華琳に上から声をかける。
「あなた・・・どうやってそんな蔵の上になんて登ったの・・・」
「そっちの横の方に登れそうな場所を見つけてね、試しに登ってみたんだが、
中々いいぞ、華琳も登ってこいよ。」
「やれやれ、この私にそんな事させるなんてね。」
「ぶつぶつ言いながらしっかり登ってきてるじゃないか。」
「ふん。それで、城壁の上で飲むのじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけどね、こういういい場所をせっかく見つけたんだ。
今日はここで飲もう。」
「そう、それじゃあ、早速私に酌をしなさい。」
「おいおい、俺が先にするのかよ。」
「構わないでしょう、この私をわざわざつき合わせたんだから、
そのくらいの事はすべきよ。」
「まったく」
と言いながら、酌をしてしまう、自分が微妙に情けない。
「ありがと、それじゃ、私も酌をしてあげるわ。
この私が酌をするなんて普通はないんだから、ありがたく思いなさい。」
「ん、ありがと。」
華琳から注いでもらった酒を一気にあおる。
「ふう、やっぱりこの酒は旨いなぁ。」
「当たり前でしょう。この私、曹孟徳が作ったんだから。」
「ああ、そうだったな。こんな旨い酒が造れるんだ。
いっその事、杜氏にでもなったらどうだ?」
「杜氏?何よそれ?」
「ああ、こっちではそう呼ばないのか、
んー、お酒を専門的に造る人たちだよ。」
俺も専門的な知識がある訳じゃないから、詳しくは説明できないな。
「嫌よ、酒造りなんて興味があったからしただけだもの。
こんな事に一生をかけるなんて絶対に嫌だわ。」
- 174 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:26:49 ID:SRzOsH5d0
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「あら、一刀、どこ行ったの?」
「ああ、こっちだこっち」
辺りをきょろきょろ見回している華琳に上から声をかける。
「あなた・・・どうやってそんな蔵の上になんて登ったの・・・」
「そっちの横の方に登れそうな場所を見つけてね、試しに登ってみたんだが、
中々いいぞ、華琳も登ってこいよ。」
「やれやれ、この私にそんな事させるなんてね。」
「ぶつぶつ言いながらしっかり登ってきてるじゃないか。」
「ふん。それで、城壁の上で飲むのじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけどね、こういういい場所をせっかく見つけたんだ。
今日はここで飲もう。」
「そう、それじゃあ、早速私に酌をしなさい。」
「おいおい、俺が先にするのかよ。」
「構わないでしょう、この私をわざわざつき合わせたんだから、
そのくらいの事はすべきよ。」
「まったく」
と言いながら、酌をしてしまう、自分が微妙に情けない。
「ありがと、それじゃ、私も酌をしてあげるわ。
この私が酌をするなんて普通はないんだから、ありがたく思いなさい。」
「ん、ありがと。」
華琳から注いでもらった酒を一気にあおる。
「ふう、やっぱりこの酒は旨いなぁ。」
「当たり前でしょう。この私、曹孟徳が作ったんだから。」
「ああ、そうだったな。こんな旨い酒が造れるんだ。
いっその事、杜氏にでもなったらどうだ?」
「杜氏?何よそれ?」
「ああ、こっちではそう呼ばないのか、
んー、お酒を専門的に造る人たちだよ。」
俺も専門的な知識がある訳じゃないから、詳しくは説明できないな。
「嫌よ、酒造りなんて興味があったからしただけだもの。
こんな事に一生をかけるなんて絶対に嫌だわ。」
- 175 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:28:46 ID:SRzOsH5d0
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「そういや、前に春蘭達ともっと楽しい事するって言ってたけど、
何かすること決めてるのか?」
「そうね、あなたの側女なんてどうかしら?」
ぶっ! 思わず酒を噴き出してしまう。
「何よ、汚いわね。」
「げほっ!けほっ! そっちが変な事言うからだろうが!」
「あら、変な事なんて言ってないわよ。あなたの側女なら
それなりに楽しそうだもの。それとも、この私じゃご不満からしら?ご主人様。」
「いや、そんな事はないけど。俺は、華琳との子供は欲しいし。」
ぷっ! 今度は華琳が噴き出す。
「どうした、もったいない。」
「あ、あ、あなたが変な事いうからでしょ!
わ、私とのこ、ここ、子供が欲しいなんて・・・」
顔を真っ赤にしている華琳。うむ、可愛い。
「そんなに変な事いったか?好きな人との子供が欲しいなんて
当たり前の事だろう?」
「あ、当たり前の事って・・・あなた、自分が何言ってるかわかってるの?」
「華琳との子供が欲しいって言っただけだぞ?華琳だって前に言ってたじゃないか。
あなたの子なら産んでもいいわって。」
「あの時とは違うのよ!あの時はただ・・・あなたがこの大陸の覇王になるかもしれないから、
その子供ならもう一度魏を再建できるかもしれないって意味で欲しかったのよ。」
「ふむ?もう王には興味ないから子供はいらないって事か?」
だとしたら、寂しいな・・・
「違うわよ。むしろ逆よ、私もあなたとのこ、子供は欲しいと思ってるわ。
ただ、私はあなたの敵であった元曹魏の王で敗軍の将よ。
そんな私があなたとの子を産むなんて、おかしいでしょう?」
月明かりに照らされた華琳の顔に涙が浮かんで見えたのは気のせいだろうか。
「子供が欲しいなら、関羽や朱里にでも言いなさい。そのほうが国の為にもいいわ。
私は行為を楽しむだけの存在。そう思いなさい。」
- 176 名前:華琳ネタ[sage] 投稿日:2007/02/06(火) 10:30:38 ID:SRzOsH5d0
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俺は、我慢できなくなり、華琳に口づけをする。
「ん!?、んん! ぷはっ!いきなり何するのよ!」
「華琳があまりに悲しそうな顔をしてるんでね。慰めようと思っただけさ。」
「か、悲しそうな顔なんてしてないわよ!」
「それに、俺も悲しかったんでね。俺はただ、純粋に華琳との子が欲しかっただけなのに、
そんな風に言われるとね。」
「ふん、王としてなら当たり前の考えよ。」
「ここの王は俺だよ、華琳はもう王じゃなくて俺の大好きなただの女の子さ。
好きな人との子を産んではいけないなんて間違ってるよ。
元曹魏の王だろうとなんだろうと何も問題ないさ。」
「そうだったわね。ここは大甘のあなたの国で私はもう王ではなかったわね。」
華琳は嘆息しながら、しかし、どこか嬉しそうに
「そういう事ならあなたとの子供を産んでもいいわよ。
どうせ、苦労するのはあなただろうしね。」
「まぁ、その前にもっと華琳としたいっていう気もするし、
子供も勝手にできちゃいそうな気もするけどな。」
「ふん、このヘンタイ。」
そういった華琳の目にはさっきとは違った涙が浮いてる様に見えた。
遠征から帰ってきた後を考えてみたSSです。
気に入ってもらえたら幸いです、駄文失礼しました。