- 12 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 21:53:14 ID:xdJCZTY20
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「あーあ。別に覇道なんかに興味は無いのにあいつときたら………。
さて、こりゃいよいよ絶体絶命ってとこかな?」
外からは矢が放たれる音、剣が合わさる音、そして断末魔の悲鳴が絶え間なく聞こえ続ける。
残された最後の牙城。
しかしその門はすでに打ち破られ、袁家の軍勢によって落とされようとしていた。
「でも、ただじゃ死んでやらないからな………袁紹!!」
人々の心は荒み、野党の類が猛威を振るうこんな世の中なのだ。
だからこそ、守りたい物がある。
それは、自らの誇り。
それは、こんな自分に仕えてくれた者たちの義。
それは、友への想い。
「悪いな、北郷………。どうも俺はここまでみたいだ。
でもせめて、三国統一なんて馬鹿みたいな夢を持っているあんたのために、少しでもあいつを足止めしてやるよ!」
鋼の決意を胸に。
雄雄しき刃は腕に。
凛々しき想いはその眼差しに。
彼女は高らかに叫ぶ。
「聞け!我が名は公孫賛!この城の主なり!」
- 13 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 21:53:58 ID:xdJCZTY20
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「聞け!兵たちよ、将たちよ!
袁家の者達は大儀もなく、自らの損得のみでこの大陸に戦乱を巻き起こそうとしている。
このような事が許されて良いのか、いや、良い筈がない!」
「………………ず、随分と言ってくれるじゃありませんか」
「でも、否定できないのが何かなー」
「そうだねー、文ちゃん」
「我らが街に押し入り、住民をも盾にして戦った袁家に天命は無い!
勇者たちよ。たとえ勝てずとも、正義を示さねばならないのだ!
公孫賛の名に於いて命ずる!
戦い、死ね!その姿は明日の袁家の滅亡に繋がるだろう!
全軍、突撃ーーーーっっ!!」
「あーあ、もう。ウチの兵たちの士気は落ちるし、向こうの士気は上がるし。
あちらさんもなかなかやるなー」
「そうだね。でも、数ではこちらのほうが圧倒しているわけだし、じきに勝負はつくよ」
「だろね、つまんねーの。………ん?姫、どうした?」
「ぬ、な、なななななななな何なんですの、まるでこちらが悪のような言い分は!」
「………じゃあさ、何で姫は戦争なんて仕掛けたの?」
「そんなの決まっているではありませんか。
群雄割拠のこの時代において、覇を握るのはこの三国一の名家である袁家をおいて他ならないからですわ。
おーーーーーーほっほっほっほっほっほ」
辺りに寒い空気が流れた。
ある意味予測できた、というより予測できたとしても信じたくなかった理由ど真ん中そのもの。
さすがにこれには忠実(?)な将達も揃って閉口する。
- 14 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 21:58:02 ID:xdJCZTY20
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「もう、何を黙っているのかしら?」
「いや、まあもうどうでもいいや。で、袁紹さま。どうせ全軍突撃させるんでしょ?」
「当たり前ですわ。何と言っても、三国い………」
「いや、それはもういいですから。で、どうするよ?」
「そうだね〜。私と文ちゃんで公孫賛様を仕留めたら全体の士気が上がるから、それでいいかな?
というより、全軍突撃じゃこれ以外にできそうな策は無くて………」
「あいよ、りょ〜かい。じゃ、袁紹様。いっちょ行ってきまーす」
「私も行ってきますね。袁紹様、お気をつけて」
(でも、数の差に比べて意外と粘ってる。
この形じゃ援軍が来たら側面を突かれちゃう。さっさと終わらせないと!)
バトルパート
勝利条件 10日間耐え切る
「報告を!」
「よし、言え!」
「我が軍勇敢に戦いしも、やはり数の差はいかんともしがたく前曲は限界に達しています」
「ならばここにいる部隊も全部出せ!全てだ!」
「しかし、それでは前曲が破られた時の最後の守りが………」
「その前曲が破られそうになってるんだぞ!
どっちみち前曲が破られたらここに敵兵は殺到する。
この程度の数などあっという間に踏み潰される!」
- 15 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 21:59:22 ID:xdJCZTY20
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必死に抵抗を続けるも数の暴力に押しつぶされてゆく兵たち。
もはや文官たちの間でも諦め気味な空気が漂っていたがそれでも公孫賛は戦い続けた。
「構わん!城の一部などくれてやれ!
我らの正義、我らの意地、我らの魂を最後まで見せつけてやるんだ!」
しかし、それでも終わりはやってくる。
望もうと望まなかろうと。
部屋の扉が吹き飛ばされる。
そこより現れたのは、嘘のように巨大な大槌。
そして、見覚えのある女二人であった。
「まったく………弱い奴ばっかだぜ」
「そういうこと言わないの。どうも、公孫賛様。どうか大人しくお縄についてくれませんか?」
「はっはっは。それは無理だな。兵たちが命をかけて戦っていると言うのに、何故私だけ投降できる?」
「………あなたは十分に戦いました。誰も笑いは………」
「くどい!俺は俺の誇りに誓ったんだ!最後まで公孫賛として、勇敢に戦うとな!」
「へへっ、よく言ったよ。なら、その誇りに免じて楽に終わらせてやるよ!
ううらああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
襲い掛かる暴力の嵐。
大剣が振るわれるたび、大槌が薙がれるたび、次々と命が散ってゆく。
「ぐあっ!」
「がっ、ぐう」
「あべし!」
「ふん、弱いぜ。ほらほら、関羽並みに強い奴はいねえのかよ」
「どいて………くれませんよね。ならあなた達も討ちます」
主を守ろうと挑みかかっては死んでゆく忠義の兵たち。
しかし、必死の抵抗も一騎当千の将の前では僅かな時間稼ぎにしかならなかった。
- 16 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 22:00:50 ID:xdJCZTY20
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「さて、あとはあんただけだぜ」
「………みたいだな」
「あの、あなたを愚弄しているわけじゃないんですけど………どうか、投降してくれませんか?」
「優しいな、あんた。でも無理。私は皆と共に逝くことにするよ」
「そうですか………では!」
迫ってくる大槌。
引き伸ばされる最後の時間。
思い出、記憶。
外より聞こえる悲鳴と雄たけび、名乗りと銅鑼の音。
………………名乗りと銅鑼の音?
大槌は、その役目を果たす直前に巨大な戦斧によって防がれた。
「………ご主人様が守れって言った。守る。」
「げぇ!呂布ぅ!」
戦況は一変していた。
天の御遣い率いる軍の参戦により袁紹軍はすでに後退を始めていた。
- 17 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 22:05:10 ID:xdJCZTY20
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「張飛隊、馬超隊はそのまま突っ込んで敵を横撃してください。
関羽隊は城へと向かって、公孫賛さんの脱出を援護してください」
「「「応っ!!!」」」
「頼む!あの子を死なせたくないんだ!」
「お任せください、ご主人様。あなたの望みは私が必ずや叶えて見せましょう!」
「それでは、全軍突撃してください!」
いずれも一騎当千の将に率いられた精兵揃い。
もはや袁紹軍にこの場で抵抗する術は無かった。
「ムキーーーーーーー!!悔しいですわーーーーー!!」
「あーあ、また姫が癇癪おこしてるよ」
「あはは、でもお互い生き延びる事ができてよかったね」
「そうだな。何でか知らないけど呂布が見逃してくれたしね」
「うん………文ちゃんが死ななくて本当に良かった………」
「………あー、もう!可愛いこと言って〜、このこの」
「きゃ、もう。文ちゃんったら〜」
「あはははは」
- 18 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 22:06:19 ID:xdJCZTY20
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夕日が長く伸びる影を作り出す中、2人の男女が向き合っていた。
「北郷、まずは例を言おう。助かったよ」
「うん」
「で、だ。お前………どういうつもりだ!」
「!?」
「何で助けに来たんだよ!おかげで私は死に損なった。兵たちの忠義に応えられなかったんだ!」
「………」
「それにお前たちだって、こっちが攻められている間に兵力を増強することができたんじゃないか!?
ていうか、普通自国を確実に守るためにもそうずるだろ!」
「………確かにそうかもしれない。でもさ、伯珪。それでも俺たちは伯珪を見捨てたくなんかなかったんだ」
「っ!そんなのはそっちの都合だろ!俺は………」
「本当に忠義に報いたいなら死を望んではいけない。兵たちは、死んでもらうために戦ったんじゃないんだ」
「………!」
「まだ死んじゃいけない。償いたいなら、俺たちと共に戦ってくれ」
「………甘いよ、北郷。死んでほしくないから助けるなんてさ」
「恩人一人救えないようで、三国統一なんてできないさ」
「そうだな。私はあんたに命を救われたんだ。そういうふうに言われちゃ是非も無いさ」
「じゃあ!」
「ああ、俺も厄介になるよ。よろしくな、北郷!」
こうして北郷軍に新たに仲間が加わった。
そして、彼女が一刀と共に新たな外史に向かったかどうかは定かではない。
- 26 名前:ハム子の[sage] 投稿日:2007/02/04(日) 22:19:43 ID:xdJCZTY20
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おまけ
「おーい、ほn
「ご主人様!何処へお出かけですか!?」
「ほんご〜、ちょっとい
「一刀。ちょっとこの私に付き合いなさい。拒否権?そんなもの無いわ」
「ほn
「一刀!その、今から市にでも行かない?二人だけで………ダメかな?」
「h
「ご〜〜〜〜〜〜しゅじんしゃま〜〜〜〜〜。
相変わらずいい男ね〜ん。股間がう・ず・く・わ〜〜〜ん」
「………ぐすん」