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989 名前:麗羽さま 1[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 00:45:52 ID:/q7Atgxu0
ぽかぽか陽気の午後、毎度おなじみの俺が街中を散策していると嫌な団体様に出くわした。

「わっしょい、わっしょい、お御輿わっしょい!」

せっかくの休憩時間だ。面倒くさいことに巻き込まれないようにまわれ右したのだが、遅かったようだ。

「あーら、一刀さんではありませんの。ごきげんようですわ!」

筋肉隆々の半裸の男達が担ぐお御輿に、偉そうにふんぞり返ってお座りになられるのは麗羽。
そのお御輿軍団の最後尾には、猪々子と斗詩が恥ずかしそうに付いて来ていた。
あ、目が合った。

「あ、アニキ、オーッス」
「こ、こんにちは、ご主人様」

二人とも呆れているのか、あきらめているのか疲れた笑顔で挨拶してくれた。
しかし、なんだ。この筋肉御輿。こんなこと前にもあったよな。
また、競馬で万馬券でも当てたのだろうか。
斗詩はため息をつきつつ、俺の疑問に答えてくれた。

「いやぁ、この前ご主人様が発案した宝くじでしたか?あれで、麗羽様が一等前後賞を獲っちゃったんですよ」

えー!マジですか!
宝くじは、公益事業を行うために必要な収益として手っ取り早い方法じゃないかなーと思って導入したのだ。
しかも、一攫千金が狙えるとあって庶民には人気がでるんじゃないかと思ってさ。
俺の前にいた世界でも、宝くじは人気あったしね。
うちの台所事情は厳しいからなぁ。
軍備にもまわせると期待をして始めたのだが・・・。
第一回の宝くじを麗羽が一等当てちゃったのかぁ。
うーん、前から麗羽の金運の「引き」には異常な才能があると思っていたが、まさかここまでとは。
最初の宝くじで、身内から高額当選者がでるのはインチキしてるみたいでマズイよなぁ。
990 名前:麗羽さま 2[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 00:48:06 ID:/q7Atgxu0
「でもさ、アニキ。麗羽さまって、こういうの当たったら自慢したい人でしょ?入ってきたお金もパーッと使っちゃうしさ。
だから街のみんなもさ、このクジが当たれば本当に大金がもらえるんだって信じたみたいだよ」

猪々子が言うには、馬鹿騒ぎする麗羽を見て「宝くじ次も買おう!」「次は買おう!」という人が大勢いるみたいらしい。
そうか、宝くじのいい広告塔になってくれたって訳か。
それなら、まあこれで良かったかな。

「そうですのよー!わたくしが、このわ・た・く・し・が!一等当選で億万長者なのですの!オーッホッホッホッ!」

突然に御輿から立ち上がり、足元をグラグラさせながらも麗羽が声高らかに笑っている。

「麗羽様お金を使うのはいいけれど、こういう馬鹿で恥ずかしいことに使ったりしちゃうじゃないですか、もう毎度付き合わされる私達が
いい加減に疲れてきちゃて・・・」

斗詩は、この日何度目かのため息をつきながらグチをこぼす。

「まったくだよなー、もう何時間街中を練り歩いてるんだよ。麗羽さまー、いい加減おなかが空きましたぁー」

「何を弱気なことを言っていますの猪々子!まだまだワッショイは終わりませんわよ!それにあと一週間は同じ時間帯にやるつもりですしね」

迷惑だから、本当にやめて欲しい。
げんなりしている俺にテンションが高い麗羽が言葉を続ける。
991 名前:麗羽さま 3[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 00:49:13 ID:/q7Atgxu0
「そうそう一刀さん、宝くじもいいですけれど・・・。ただ決められた数字が書いてあるクジを買って、当選日まで待っているというのは退屈ですわ。
そうですわねぇ・・・、ある数字の中から好きな数字を3つ選んだり、6つ選んだりするクジはいかがかしら?その当てた難易度で当選金の配当が変わるんですの。
これは素晴らしい考えではなくて?」

それありますから、俺の前いた世界にありますから・・・。
もし、俺の世界に麗羽がいたらと思うと、ゾッとするな。
金がからむと勝負運が強すぎですよ、この人。

その後の俺は、ご機嫌の麗羽にお御輿ワッショイに強制参加をさせられた。
足が棒になるので歩かされて、城に戻ったのは夜遅く。
愛紗に滅茶苦茶怒られました。


書くところ、間違えてごめんなさい。おしまい

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