星 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一刀「・・星?何を考え込んでるんだ?」
星 「おぉ主、いえ、恋の奴めの事を考えておりましてな」
一刀「あれ?恋がなにかやったの?」
星 「いや、そうではありませんよ、恋というか恋の武に関して考えておったのです」
一刀「武、と言うと?」
星 「私は一度は恋に勝ちました・・が、あれは恋の疲労をついたいわば絡め手での勝利、いざ対等に渡り合ったらはたしてどうなる事かなと」
一刀「星の腕なら恋が相手でも十分戦えるんじゃないか?」
星 「ええ、恋が相手でも戦える自信はありますが、正直な所勝てるとは思えません、この様な考え自体武人としては恥ずべき事ですがね」
一刀「う〜む、そうだ!今の状況に良く合うためになる逸話があるぞ!」
星 「逸話、ですか」
一刀「ああ、ある所に狼の様な痩せ細った拳闘士がいた、その男と近々試合で対峙する男は「クロスカウンター」という合わせ手を何よりも得意技としていたんだ」
星 「合わせ手ですか、確かに恋の得意技もこちらの突きに対する合わせ手ですな」
一刀「そうだろ?その男は考えて結論を出したんだ、【真正面からの突きにはカウンター出来ても、下からのアッパーにはカウンターできまい】と」
星 「あっぱー? かうんたー?」
一刀「あ、アッパーっていうのは下からの振り上げる突き、カウンターというのは合わせ手の事ね」
星 「とすると・・・・・・おぉ!これならば確かに合わせ手を封じる事ができましょう!して、その男はどうなったのです?」
一刀「確かにその男は試合には勝利を収めた・・だが、試合途中の転倒で頭を打った事と減量で体力を使い果たした事が重なり、試合後に死んでしまったんだ・・・」
星 「それは・・・惜しい武人を亡くされましたな」
一刀「ああ・・今でも毎年その男が死んだ日になると大勢の人が集まり、その男の死を悼むんだ」
星 「愛されているのですな、その男は・・・おっと、こうしてはいられん!早速恋の奴に手合わせを願い出てきます故、これにて」
一刀「ああ、試合中に側頭部を強打されないように気をつけるんだぞ、星!」