でな、その時あいつときたら急に水門を開かれたようにポロポロとな……
一頻り泣きじゃくったあいつに私はまた泣きたくなったら言えとそう告げたんだ
…………っ!
おーい、白蓮っ!
そろそろ帰ろうぜ――っ! もう、腹ぺこぺこでさぁ
相変わらず脳天気なやつだ
……でも、恋愛は惚れた方が負けだもんな。はぁ
しかし! 私たちには輝かしい未来が待っている……だから、まだ諦めるには早い!
また明日から頑張るぞ――っ!
…………?
反董卓連合の時にはこっちがやきもきしてる間に大量の女を周囲に侍らせて戻ってきたんだよなぁ……あんの野郎
そういえば、あの辺りから徐々に影が薄くなって……
ただ、本初との一戦辺りでは結構ヒロインぽかったと思うんだ
私と一刀がどうなるのか、みたいな
二人は離ればなれに? 別れてしまうのか!ってまさにヒロインだったんだよ
ま、途中から出番がなくなってラストで登場とか凄く微妙ではあったがな
話に一つの大きな区切りが付いてからは再びヒロインの座から遠ざかる日々だった
青州へ飛び出したり、徐州へ向かったりとホントせっそうのないやつでな
その間、私はほったらかしときたもんだ
私とて女であってやっぱり好いた男との時間を取りたいとも思うわけで……
ただ、どう切り出したものかと悩んでいたら、急にあいつは私を避けるようになって
まあ、それも私を思うからこそだったとようやく知ったわけなんだがな
…………っ
改めて考えるとあの馬鹿は本初のときから何にも成長してない
いや、まあ仕事の面などでは割と役には立つようにはなっていたさ
だがな、その内面が成長してなさ過ぎなんだよ、すぐ自分の中に抱え込む癖が直ってない
…………………………
ま、あいつも今回のことで何か思うところもあったようだし少しは変わっていくことだろう
無論、私もあいつが全幅の信頼を寄せられるくらいにはしっかりしないといかんのだがな