「……んっ、ん゛んっ、…ぢゅるぅ…ちゅ……じゅっ、んぅうんッ…」 「ん…いいよ…っ。く…ぅ…。 凪ぃ…っ。……上手に…なったね…。」 肉棒を一生懸命咥える凪の頭を一刀が優しく撫でる。 「…ふぁ……隊長…。ん…ぢゅぅぅ…っ…ペロ…ペロ…ちゅっ…ヂゅぅぅぅぅ…!」 「うっ…凪っ…それ……凄っ……もう…っ、イクよっ…!  …あーんして…! …凪……!」 「…プハっ…! はいっ! 隊長、私の口に…たくさん、出して下さいっ…! 隊長の精液…っ……」 「ベロの上に出すからね……。ちゃんと、味わうんだ…よ…っ…。……うっ…!」 屋敷の離れ…。 木陰で凪は口淫に励んでいた。 屋敷の警備の途中であったが、一刀に呼ばれ、言われるままに…… 「はふぅぅぅぅ…っ…!! …はいひょぅ……はふいれふぅ……ふぅぅぅっ……!」 隊長…凄い…。こんなにいっぱい…熱くて…ドロドロ…。 全部飲まなきゃ……。 口に含んだ精液が漏れないように唇をしっかりすぼめ、尿道から残った精液もしっかり吸い上げる。 「んじゅるっ、じゅるぢゅうぅぅ……んっ、んッ……ンぐっ…!」 大量の精液を口に含んだ凪は、少しずつ分けて飲み込み……そして、全てを飲みつくした。 「偉いぞ…凪。いいこ…いいこ…」 隊長に喜んで貰えた…。良かった…。 ベタベタになった口元を一刀がハンカチで拭いてくれる。 優しく…労わるように…。 「凪が一番だよ…。他の誰より…、一番好きだよ……」 凪をぎゅっと抱きしめ、耳元で北郷が愛の言葉を囁く…。 『   真・恋姫無双 〜 凪 悲恋伝 〜   』 【一章】 「それじゃあ…凪……ありがとな」 「あっ……はいっ! 隊長……また…」 隊長が去っていく……。 胸には甘い痛みだけが残り、アソコがぎゅっと疼く…。 隊長のを舐めているときからずっと股間が熱くて、 抱いて欲しくて…隊長のが欲しくて…たまらなかった。 だけどそんな事言ったら、はしたない女だと思われると思って言えなかった…。 沙和や真桜なら簡単におねだりできてしまうんだろうな…。 けど、隊長は私の事を一番好きだと…おっしゃってくれた……。 他の誰よりも私の事が…。 隊長が魏の武将達や沙和、真桜と身体の関係を持っているのは知っている。 けどそれはしょうがないことで、本当は悔しくて嫉妬してしまうが、隊長を憎むのは間違っている。 隊長を独り占めしたいと思うのは罪なことだと分かっていたけど、 今日隊長は私を一番だと言ってくれた…。 きっと私達は心で結ばれてるんだ…。 そう思うと心が軽くなり、明るい気分になった。 はだけた胸元を整え、警邏の仕事に戻る。 「〜〜♪〜〜♪」 つい鼻歌を口ずさんでしまう。 表情も自然とやわらかくなり、 太陽が眩しくて…普段の景色がいつもより輝いて見えた。 訓練場の広場を歩いていると霞に偶然会った。 「おお〜!凪〜。偶然やなぁ〜♪」 嬉しそうに霞が近づいてきた。 「霞さま。おつかれさまです!」 「なんやぁ〜、鼻歌なんかくちずさんで。  なんかええ事でもあったんかぁ?」 「あっ、いえ…その……はい…」 浮かれているところを見られ、少し照れてしまう。 「ふふふ…。まぁええわ。凪が笑顔だとなんかこっちも嬉しくなるわ〜♪」 霞が抱きついて頭を抱えてくる。 いつもなら恥ずかしくて困ってしまうが、今日はなんだか大丈夫だった。 「ね〜ん凪ぃ……また膝枕してぇ〜〜♪ね〜凪ぃ〜」 「まったく、霞さまったら……。……いいですよ」 「えッ!?まじっ?ホンマっ!?やったぁ〜♪  それじゃあさっそく〜♪」 驚いた霞が手放しで喜び、そのまま凪を押し倒し芝生に横になる。 そして凪の膝に頭を乗せた。 「はにゃぁ〜〜……やっぱし凪の太ももは最高や〜……  ぷ・に・ぷ・に……たまらん〜♪」 「ふふふ…」 柔らかな風が流れ青草と土の良い匂いがする。 「この調子で次は抱き枕になってくれへんかな〜♪」 「それは駄目ですっ」 穏やかな時間がすぎる…。 ふと霞が聞いた。 「なぁ〜凪〜?さっき聞いた良い事、よかったら教えてくれへん?」 「へっ!?良い事ですかっ……はっ恥ずかしい……」 「ええやん〜♪凪の喜びをウチも分かち合いたいんや〜。なっ?ええやろ〜♪な〜」 駄々をこねた子供のように霞がぐずる。 霞さまなら…いいか。それに…私も嬉しくて、誰かに言いたい……。 霞は普段から凪に優しくて、凪も大好きだった。 「隊長が……その…さっき、私を一番好きだと、おっしゃってくれて…」 頬を染めながら凪が言った。 「隊長? おお…一刀か〜」 (そんなん一刀、誰にでも言うとるやん……ウチも言われた事あるし……) 霞はそう思ったが、凪の笑顔を曇らすわけにはいかない。 凪の笑顔を守るため、続けて言った。 「そうかぁ〜〜。一刀は凪が一番好きなんやなあ……。  分かるでぇ〜。凪はめっちゃ可愛ええもんなぁ〜〜♪」 「そんな……あ…んッ……霞さま、くすぐったい……です」 霞がふざけてじゃれてくる。 とても…幸せな時間だった。 少しゆっくりした後、別れ際霞が言った。 「今度、一刀にでぇとしてもらいや〜♪」 「でぇと…ですか?」 「そうや。大好きな凪と一刀も一緒に居たいハズやで。  凪から誘って、今度の休み、一日中イチャイチャするとええで♪」 「そっ…そうですね…!私も…隊長と…でえと……したいです……」 「恥ずかしがってないで、強引にいくんやで♪ほなな〜」 ふんふ〜ん♪と陽気に歌いながら霞は訓練場に戻っていった。 隊長とでぇと…。私が誘ったら隊長喜んでくれるかな…。 喜んでくれるよね…? だって私たちは……。 隊長……大好きです━━━ 凪は服に付いた草をぱっぱと払い落とすと、警邏の仕事に意気揚々と戻った。 【二章】 仕事が終わり、夕食を取って自室に戻った凪。 ベッドに寝転び、思いを馳せる…。 いつ、でえとに誘おうかな……。いますぐ……会いたい…な…。 隊長…今日お風呂の日だったよな…。 お風呂の扉の前で待ってれば会えるかな…。 凪は一刀がいつも風呂に入る時間を把握していた。 それに合わせて風呂場へ向かう…。 行く途中に誘い文句の練習をした。 隊長。次の暇な日良かったらでぇとに行きませんか…。 端からみたらブツブツ呟いてる変な女の子…に見えただろう。 そして風呂場の前に到着。 兵がちらほら出てくるが、隊長の姿はない。 湯上りの隊長…ほてってる隊長……はぁ…。 汗ばんでいる一刀を思い浮かべていたら、扉から一刀が現れた! 急いで駆け寄る。 「たっ、隊長!」 「おっ……凪。どうしたの?女の子はあっちだよ?」 湯上りの隊長カッコイイ……。 凪はボーっとしそうになったが、それを堪えた! 「あのっ…あの…次の、次の…」 うまく口が回らない…!あんなに練習したのに…! 慌ててる凪を見かねて、一刀が凪の手をそっと掴んだ。 「大丈夫だよ…凪。慌てなくてもゆっくりで…」 ギュッ…と握ってくれる。 私がこんな性格だってわかってるから、こういう事をしてくれるのだろう… 優しい…な…。 深呼吸して、もう一度言う。 「隊長。次の暇な日…私とでぇとに行きませんか…?」 良かった…言えた。 そういうと一刀はニッコリして、「うん。どこ行こうか?」 とあっさり了承してくれた。 はぁぁぁ、と安堵のため息をつくと、一刀がそれを見て笑った。 「そんなことで緊張してたの?……凪ならいつでもいいよ」 そう言って頭を撫でてくれた。 お互いの予定を話し合うと、偶然どちらも明後日のお昼過ぎから予定が空いていた。 凪は休みで、一刀は昼終わり。 なので、その日は、町の入り口で待ち合わせ、昼過ぎから夕方まで町をブラブラして、 その後一刀の部屋で一緒に御飯を食べることになった。 嬉しすぎて夢心地だった。 「それじゃあ…隊長…また明後日に…」 「うん…。あっ、ちょっと…凪」 去ろうとする凪を一刀が呼び止める。 腰に手を回され身体を密着させられた。 そして、ゆっくり顔を寄せ…口づけをする…。 「は…ぅ……隊長ぉ……」 甘い、ついばむようなキスだった。 その後、ギュッと抱きしめられた。 凪も負けずとギュッと抱きしめる。 お風呂上りの良い匂いがする…。 少し汗ばんでて………凄いよぉ… 頭がクラクラ…す…る。 頬に一刀の首筋が当たる。 汗が一筋垂れていて、凪はつい……ペロッと舐めてしまう。 「ひゃっ!」 一刀が驚きの声をあげる。 「あっ…!ごっごめんなさい!」 「いやいや…はは…。大丈夫大丈夫。ちょっとくすぐったかっただけ」 は…恥ずかしい…。わ、私は…。 凪の顔がたちまち赤くなる。 「あ…う…あうあう……!それでは…失礼しますっ…!」 凪は恥ずかしくなって、ペコペコと変なお辞儀をした後 ダッシュでその場から逃げた…… 【三章】 部屋に戻った後は興奮で眠れなかった。 様々なことが頭に浮かぶ…。 でぇとの申し込みを受けてくれたこと。一刀に抱きしめられたこと。 キスされたこと。首筋の汗を舐めてしまったこと… 一刀のお風呂上りの匂いを思い出しただけで、甘い疼きが走った…。 アソコが…熱い… 凪は箪笥を開けると、奥の方に手を突っ込んだ。 奥からだした物は、一刀のパンツだった。 以前洗濯物を一刀から頼まれた時、駄目だ駄目だと思いつつ、 一着くすねた物だった。 ベッドに寝っころがり、パンツの匂いを嗅ぎながら、自分の指で身体を慰める。 「すぅぅぅぅぅぅぅ…………はぁっはぁっ…!」 思いっきり吸い込むと、脳に甘い痺れが爆発する。まるでクスリだ。 「んんっ……たい…ちょぅぅ……。らい…すき…ですぅ……はぁっ…んんっ、…んんぅぅっ…!」 愛液で溢れた割れ目をなぞり、恥丘をコネコネするだけで 驚くほどすぐに絶頂を迎えられた。 ビクンビクンと身体が痙攣する。 それが治まるまでベッドの上でだらんと力を抜いて、心地良い疲れを堪能する…。 「はぁ……はぁ…。一刀…様……。愛して…ま…す…」 一刀の名前を呼ぶと胸が切なくなった。 いつか私も呼ぶことができるのだろうか、と…。 シーツを濡らしてしまった…。いらやしい女だ…私は…。 そう思いながら替えのシーツに交換する。 一刀のパンツも秘密の場所に戻そうとした。 くん…くん…。匂いがちょっと取れてきちゃったな…。 明後日、隊長の部屋に行った時にパンツ交換してくれないかな…? ふふふ…でもなんて言って? 自分の妄想が可笑しくて笑いがこみ上げてきた。 そしてパンツをしまった後、 布団の中で明後日のデートを思い馳せながら、ゆっくりと眠りについた。 【三章】 翌日の勤務は早朝からだった。 北郷隊、俗に"三羽烏"と呼ばれているメンバーでの警邏だ。 凪と沙和は既に待ち合わせ場所に集合しているが、真桜がまだだった。 「おはようさん…」 少し待つと目の下にクマを作った真桜がのそりと姿を現した。 「真桜。遅いぞ!」 凪が真桜に怒る。 いつもの事だから沙和はニコニコしている。 「あーあかん…からくり夏侯惇様に翼付けてたら、徹夜になってもうた……」 「今日は早朝の勤務だと分かっていただろうに……まったく」 「あんな…ウチ……実質二時間しか寝てないでぇ…実質二時間……。ホンマ辛いわー……。」 そして三人で城の警備に向かう。 先頭をキリっと歩く凪。それに続く沙和と真桜。 沙和がウキウキと真桜に話しかけた。 「ねぇねぇ真桜ちゃん!」 「ん〜…なんや〜?沙和〜。睡眠時間なら実質……」 「違うのー。そうじゃなくてー……。今日の凪ちゃん……いつもより機嫌いいと思わない?」 「そうか〜…ウチはいつもと同じに見えるけどな〜…」 「ううん!あれは乙女の……」 「あ〜ハイハイ分かったからちょっと静かにしてや〜…ウチ、実質二時━━━」 「凪ちゃーん!」 沙和は真桜を無視して凪の隣に駆け寄った。 「凪ちゃん。昨日、何かいい事あった?」 沙和が笑顔で聞いてくる。 態度に出てたかな…?隠すこともないか…。 「その…実は……」 昨日の夜、一刀をでぇとにを誘った事を沙和に伝えた。 すると沙和は興奮した面持ちでこういった。 「すごーい!凪ちゃん大胆なのー!じゃあじゃあ、明日はぁ……お楽しみなのー♪」 「さっ、沙和ぁ…声がおっきい…」 二人で話しに花を咲かせる。 沙和がいいな〜いいな〜、羨ましいの〜と次々に羨望の言葉をくれるから、 凪も気分がよかった。 「それじゃあ……でぇとに着ていく服は決まったの?」 「あ…それは前に沙和にデザインしてもらった制服で……」 「だぁめなのぉぉーーっ!」 沙和が力説する。 「明日は凪ちゃんが初めて勇気をだして誘ったでぇとなのー!  特別な日なんだからまた新しい服で、隊長をメロメロにするのー♪」 うーん。確かにそうだ…。 そういえば最初に制服を着て隊長に会ったあの時、初めて愛して貰ったんだった…。 隊長は凄い可愛い可愛いと喜んでくれた。 またあの時のように、驚かれたい…。そして可愛いと言って欲しい……。 沙和と真桜に段取りしてもらったんだっけ…。 「けっ、けど私一人じゃ隊長好みの服なんか探せないし……」 私はずるい。この後に返ってくる言葉を知っているのに…。 「夕方、仕事終わったら二人で服屋に服を買いにいくのー♪  阿蘇阿蘇掲載の新作入ってるから、それで明日はキメキメなのー!」 沙和の優しさに触れて、改めて心の中で感謝した。 本当に、大事な…大事な親友だ…。 優しくて…けど、ちょっと抜けてるけど、大好きな…沙和…。 「沙和…ありがとう」 そう伝えると沙和はニコっと笑って 「凪ちゃんは沙和の親友なのー♪お礼はいらないのっ」 と言った。 「お〜い。真桜ちゃんもここにいるで〜……」 二人に置いていかれていた真桜が後ろの方で叫んだ…。 その後はとても楽しい時間が続いた…。 仕事が終わってすぐに、沙和と一緒に服屋に行き、阿蘇阿蘇に掲載されていた新作の上下セットと靴を買った。 白いふわふわのフリルが沢山付いているスカートに、 可愛い花柄のワンピース。 そして厚底のエナメルブーツ。 沙和の見立てで選んだ物で、甘ロリというらしい。 自分には可愛すぎると慌てて断ったが、大丈夫♪大丈夫〜♪ と沙和に押し切られた。 そして、ほくほくしながら屋敷に帰る途中、突然沙和から小さな紙袋を渡された。 「これ…その服に似合う髪飾りなの。凪ちゃんにプレゼントっ♪」 開けると、とても可愛い小さな薔薇の髪飾りが入っていた。 試着している凪に隠れて、こっそり会計していたのだろう。 その心遣いが嬉しくて…凪は涙ぐんでしまった。 それに気づいた沙和があわあわと慌てる。 凪は沙和に思わず抱きついた。 自分から抱擁するのは少し恥ずかしかったが、 それよりも沙和の優しさが嬉しくて全然平気だった。 沙和が自分の幸せを本気で望んでくれている事が真に分かった…。 「明日頑張ってね。凪ちゃん……。ふふ…可愛いの…。  沙和応援してるのー♪」 「う……うんっ…!」 沙和の胸は柔らかくて、暖かくて、良い匂いがした…。 部屋の前で沙和と別れ、自室に入る。 早速買って来た服と靴を机に並べた。 こんな可愛い服…私に似合うかな…。 そう思い、店で試着したが、また着てみた。 何度も何度も鏡の前でくるくる回って、ポーズを決めてみる。 変じゃないかな……そうだ……。髪飾り…。 沙和から貰った髪飾りを取り出し、頭に付ける。 するとちょっと派手過ぎてた服が、髪飾りによってまとまった。 鏡に映る自分は……可愛かった。 ふふふ。顔に笑みが浮かぶ。 これなら隊長も喜んでくれるはずだ。 沙和…ありがとう…。 それからというもの、 ウキウキして眠れない凪は、深夜まで一人ファッションショーを行った……。 【四章】 楽しみだなぁ…隊長……。早く会いたいです……。 今日はアレして、これして……わくわく…。 朝早く起きて入念に髪の手入れをし、服装のチェックをした。 ウキウキと楽しみすぎているせいか、待ち合わせ場所に二時間早く着いてしまい 待ってる間ずっと今日の予定を考えていた。 こんなに心が弾んでいるのは久しぶりだな… 最初に私の姿を見て、可愛い…って驚いてくれるかな…。 でぇとに向かう途中、屋敷で霞に見つかりひやかされた。 「なんや〜もうでぇとに誘ったんかいな〜♪  早いなぁ〜凪も意外と大胆やな〜♪」 服装をとても可愛い可愛いと褒められ、 これならどんな我侭言っても大丈夫やで!と太鼓判を押された。 そんな我侭なんて…私は…隊長が抱きしめてくれるだけで…… 今日は部屋でずっと抱きしめて貰おう…。 お話してる時も、御飯の時も…行儀悪いかもだけど…。 そんな事を考えもじもじしながら一刀を待った。 少し天気が悪い。黒い雲がこちらに向かってきている。 もしかしたら雨が降るかもしれない。 しかし凪の心は晴れていた。 そして待ち合わせ時間になった。 しかし…一刀が来ない。 雨がぽつぽつ降り始めせっかくセットした髪が乱れてくる。 ぅぅぅ。困るなぁ。せっかく可愛く整えたのに…。 早く隊長こないかなぁ…。 地面に降った雨が撥ねて白いフリルのスカートを容赦なく汚す。 もしかしてこちらに向かう途中で雨が降ってきたから、 一度戻って二人分の傘を取りに戻ったのかもしれない…… そう思ってしばらく待っていたのだが、雨が強く降り始めたので 待ち合わせの場所が見える近くのお店の軒先に退避した。 一時間が過ぎ、ますます雨は激しさを増した。 隊長……どうしたのかな……? もしかしてこれない用事ができたのかな…。 華琳様や春蘭様に急な用事を押し付けられたとか……。 今まで何度か、北郷隊で御飯を食べに行く予定だったのに、 急な用事が隊長に入り、おじゃんになった事が多々あった。 一回屋敷に戻って一刀を見に行こうかとも思った。 だけどすれ違いになるのが怖くて動けなかった。 隊長……隊長…… 肌寒くなり、雨が体温を奪っていく。 さらに一時間が過ぎた。 ここまでくると一刀に何かあったのではないかと不安になってくる。 もしかして…隊長の身に何か…。 まさか……。 悪い事ばかりが頭につく。 一旦戻ろう…。そう思った凪は雨の中帰路につく。 もう全身びしょ濡れで、せっかくの服が台無しだった。 セットした髪がへばりつく。 途中ですれ違う事のないようにキョロキョロ見回しながら走ったが、 一刀の姿は見当たらなかった。 そしてようやく屋敷に着いた。 早く隊長の無事が確認したかった。 そしてびしょ濡れの私を見て哀れんで欲しかった。 凪…ごめんね。ああなんて可哀想に…。さぁ暖かくして…。 本当にごめんな…。どうしてもって頼まれてしまって…。 これからの時間は朝までずっと一緒に居よう。なんでも言う事聞くから…。 凪……大好きだよ……愛してる。 きっとそう言って私を抱きしめ慰めてくれるはずだ。 早く隊長に会いたい…。 体中びちょびちょで床が濡れるのも構わずに一刀の部屋に走って向かった。 部屋の近くまで来た。 一刀の部屋は明かりがついていて、部屋の中から人の気配がする。 はぁ…はぁ…良かった!隊長居る…!よかったぁ……。 ギシ……ギシ……と軋む音がする。 凪は至って明るく接しようと思った。 一刀の身に何か起きたわけでない事がわかりとにかく安堵する。 部屋の扉を開き、明るい声をだそうとした。 「たいちょ━━━━━━」 開いた扉の隙間から見えたのは… 【五章】 「……ああッ! あっ、あぁはあぁっ!んはっ、はあぁんンッッ…!」 正上位で肉棒をねじ込まれ、嬌声を上げる沙和と一刀の姿…だった。 ギシっ……ギシっ……ギシッ……ギシッ……! 「はぁっ…はぁっ…沙和…っ…!…すごい…いいよ……最高だよ……っ!」 「らめなの……ッッ…くぅぅっ…はぁ…はぁっ…っ…駄目駄目…ぁく、う……あぁあン!」 沙和は両手をベッドの淵に縛られ、万歳をしているような姿で行為をされていた…。 「…おねが……んンんん…!!ふむぅぅぅ…! ちゅぅぅ……ちゅぱっ…ずちゅぅぅぅ…」 熱いキスを二人はしていた。何度も何度も舌を絡ませ…。 腰を一心不乱に振る一刀は、後ろから凪が見ている事に気付かなかった。 何が起こっているのか理解できなくて、時間が止まっているように感じた。 ただ衝撃だけが体中を駆け巡る。 見ている光景と猥らな水音、ベッドの軋む音、二人の喘ぎ声があまりにも辛すぎて…… 凪は静かに扉を閉めた。 フラフラと廊下を歩く。 廊下が歪んでみえ、足元がおぼついてまっすぐ歩くことができない。 頭がクラクラして…とにかくこの場を離れたかった。 沙和の…沙和の…喘ぎ声が聞こえる…ここから……。 自室に戻ろうと向かう途中、霞が声を掛けてきた。 「おっ、凪〜〜♪ …………凪?」 明るく声をかけたが、凪の尋常ではない表情と様子を見て すぐに態度を変えた。 「凪っ!どしたん!?こんなびしょ濡れになってもうて…  一刀はっ?一刀はどこにいるんっ!?」 凪が焦点のあってない目で霞を見る。 隊長……隊長は……沙和と…… 「う”っ…ふぐッ…あ、あう……… うぅぅぅ…うわあ”あ”あ”あぁぁぁぁぁん!」 心が決壊し、嗚咽と涙が溢れた。 霞に抱きついて泣きじゃくる。 その異常な姿を見て霞が言った。 「凪…。ウチの部屋に…行こう?な…? 身体拭かな…」 霞は自分が濡れるのも構わず、凪を抱きしめる。 そして身体を支え自室に連れて行った。 霞は放心状態の凪をベッドに座らせ、服を全部脱がした。 そしてタオルで全身を拭き、自分の寝巻きを着せた。 「凪…ほら…暖かいお茶…飲んで身体暖めな…。」 霞が紅茶を凪の手に持たせる。 凪は身体を震わせながら、ポロポロと涙を流していて、見るに耐えなかった。 隣に座り、凪が落ち着くまでそばにいた。 そしてようやく凪のしゃくりが止まった頃、霞が聞いた。 「何があったん?ウチに話してみぃ…?」 「霞さま……」 凪は泣いてしまった訳を説明した。 待ち合わせ場所に一刀が来なかった事。 心配で戻ったら、一刀と沙和が愛し合っていた事…。 それを聞いた霞がいきり立つ! 「あんの性欲魔人……! 凪をほったらかしにしてなにしてんねん…  いてかましたるっ……!」 霞が一刀をぶん殴ろうと部屋を飛び出そうとした。 しかし、霞の服を凪が必死に掴む。 「霞さま…っ…。隊長は…隊長は…悪くないです…っ……」 ぎゅうと服を掴んで霞を行かせない。 こんなにされても一刀を庇う凪を見て霞は驚く。 「凪……どうしてそこまで……」 (悪いのは……悪いのは……) 「……可哀想になぁ……凪い……こんなに可愛いくて健気なんに……  凪……凪ぃぃ……。ふぐっ……うぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ”ぅ…………」 霞の顔がくしゃくしゃになった…。 私のために泣いてくれている。 (悪いのは……) そして、凪と霞は二人で抱き合って…一緒になって号泣した。 (沙和だ) 続く…