前置き。 一刀に異変が起きて一日その子への印象しか言えなくなりました。(天の言葉限定で) 真桜「隊長、皆待ちくたびれてんでー。はよー来ぃ」 一刀「マーベラス、マーベラス(おっぱい的な意味で)」 真桜「ん?いきなり天の言葉言われても分からへんて。さっさと行くでー」 一刀「マーベラス、マーベラス(おっぱい的な意味で)」 こんな感じ。んで遠征していた役満姉妹以外の皆が一刀にあった後に華佗が来て治療してもらいましたが、残念ながら一刀君は何も覚えていません。 そして夜は明けた。ふぁふぁふぁふぁふぁふぁふぁーん 「昨晩はお楽しみでしたね」 # # #  うーん。今日もいい朝だ。えっと確か今日は……そう、見回りの日……だよな? コンコン。 「ん?はーい、開いてるよ」 「隊長!何もお変わりありませんか!」  鬼気迫る様子で凪が部屋に入ってくる。真桜と沙和も一緒だ。 「(ち、ちょっと凪ちゃん、昨日のことは内緒だって華琳さまに言われているのー)」 「(そうだった、済まない。しかし隊長が心配で……)」 「んー、何も変わりないけど。いきなりどうしたの?」 「いや、なんでもないでー。それよか隊長、『まーべらす』ってどーゆう意味なん?」 「マーベラスか……天では素晴らしいって意味だよ。こっちの世界に似たような発音の言葉があるかも知れないけど、俺が知っているのはそれだけ」 「素晴らしい……えへへ、素晴らしい……照れるやないかぁ」 「おーい、真桜、真桜ー!なんかどっか行っちまったなぁ」 「た、隊長!あ、あのっ、では『ふぇいすふる』とはどういう意味が!」 「あー!凪ちゃんずるいのー。次はわたしが聞こうと思ってたのに」 「す、すまん」 「えーと、フェイスフル、フェイスフル。あぁ確か忠実なって意味だ。それより真桜も凪もなんで俺の世界の言葉を知っているんだ?」 「忠実。もしや隊長は私のことを信頼してくれて……そ、そんな痴がましい。しかし、だが、やっぱり」 「あれ凪もどっか行った。なぁ沙和なんか今日の皆おかしくないか?」 「全然普通なの。それで隊長。『ぷりてぃ』ってどんな意味なのー?」 「なんだ、沙和もか。プリティは可愛らしいって意味だよ。丁度沙和のような感じだね」 「て、照れるのー。しかも隊長、ちゃんと沙和のようにって言ってくれたのー」 「……三人とも撃沈、と。一体皆どうしたんだ」  うーんと考えていると、戻ってきたらしい真桜が声を掛けてきた。 「隊長、そういえば今日隊長は臨時休暇って大将が言ってたでー。見回りもウチ等がやるさかい。今日はゆっくりしときー。 まぁゆっくり出来ないと思うけどな。じゃあウチ等はこれで。凪、沙和行くでー」 「忠実、忠実。私は自惚れてもいいのだろうか。いやそしたら隊長の期待に副えなく……」 「可愛い、可愛い。隊長のためにもっと可愛い服を探すのー」 「ほら、いつまでやってんのや、さっさと行く!」  そして三人は部屋から出て行った。 一体どうしたんだか。まぁいきなりの休日を楽しむか。とりあえず腹ごなしと行きますか。 # # # 厨房 「おー、なんかいい匂いするな。って季衣に流琉じゃないか。二人とも朝飯か?」 「あっ兄ちゃん!もう大丈夫なんだ!」 「こら、季衣!昨日のことは内緒でしょ、もう。ところで兄様。一緒にどうですか?」 「おっ、いいのか。悪いな。今日はいきなり休みになったし、いい日かも知れない」 「ふふっ、じゃあ用意しますので少し待ってて下さい」 「おーう、よろしく」  うーん。やっぱり料理する女の子の後姿はいいなぁ。流琉は秋蘭を理想と考えているし、いい奥さんになりそうだ。 そんなことを考えていたら袖を引かれた。 「ねぇ、兄ちゃん。聞きたいんだけど『きゅーと』って何?」  ……季衣もか。なぜ今日に限ってみんな俺の世界の言葉を聞いて来るんだ? 「キュートは可愛らしいって意味だよ。あのさ、なんで皆俺の世界の言葉を知ってるんだ?」 「えへへ、内緒だよー。あっ流琉、聞いて、聞いて『きゅーと』って可愛らしいだって。へへ」 「もう、季衣ったら聞いちゃったの?私も一緒に聞こうと思ったのに。はい、兄様どうぞ召し上がりください。 と、ところで天では『らぶりー』とはどういう意味があるのですか?」  目の前にトンとおいしそうな料理が並べられた。それと共に流琉からの質問。 「ラブリーねぇ。キュートと同じで可愛らしいって意味なんだけど。キュートは可愛い成分が多くて、ラブリーは美しい成分が多い感じかな」  微妙なニュアンスの違いだから伝わったかどうか怪しい。まぁ良いかと目の前の料理に手をつける。 「可愛らしい、しかも美しい成分多め。……えへっ」 「あ、流琉照れてんのー」 「ちょ、ちょっと季衣!季衣だってさっき照れてたじゃない!」 「知らないよーだ」 「季衣!」  お願い。埃まうからせめて食べ終わってからにして。 さて、美味しい料理も食べたし、ここは一発……昼寝だ! # # # 庭 「ふぁー、いい天気だ。それにしても何で皆いきなり俺の世界の言葉を聞いてきたんだ?」  しかも……。何かが閃きそうになったとき声を掛けられた。 「よぉよぉ、兄ちゃんよー。真昼間から昼寝なんて良い身分じゃねえか」 「……まさか君に言われるとは」 「あや、お兄さんではないですかー。こんなところでお昼寝ですか?よいしょっと」  当然のように横に座る風。 「お、一刀に風やないか。二人でなにやっとんの?ウチも混ぜてー」  今度は霞が俺を発見したらしく風と逆側に座る。なんか猫が二匹居るみたいだ。 「はー。良い天気ですねー。これでしたら政務の一つや二つ、雲に乗ってどっか行ってしまいそうです」  いや、そんなことないから。 「せやなー。このまま一刀連れて羅馬まで遠駆けしたくなるわ」  遠駆けの域を脱しています。 「では、私はお兄さんの上に乗ればいいんですねー」 「上?前や後ろではなくて?」 「はい、上ですよ。そちらの方がお兄さんも慣れていると思いますのでー」 「風、それ以上はアカンで。せっかくの気分が台無しや。仕事ほっぽり出していいなら別やけど」 「おやおや、これは失礼。ちょっと『きてぃ』の意味を考えていたら脱線してしまったようですー。お兄さんは何か知っていますか?」 「キティ?何処で聞いたんだその言葉」 「夢を見ましてー。そこに出てきた太陽に『きてぃ』と書いてあったもので。その様子だと知っていそうですね」 「あぁ、俺の世界で子猫の意味だけど。風の夢と全く関係ないよな?」 「いえいえ。十分でしたよー。なるほど子猫でしたか。言われれば納得といいますか。では風は一刀一号、二号、三号にどうされてしまうんでしょうかー」  なんでここで野良猫と風の話になるんだ? 「ほな、ウチも聞きたいんやけど『でぃーぷいんぱくと』ってどんな意味なん?」 「……それの出典はどこ?」  いい加減俺だって怪しいと思い始めてきた。絶対何か裏がある。 「この間、一刀の寝顔を見とったら寝言で言ってたんよ、『でぃーぷいんぱくと』って。それからずぅーと気になっとうて夜も寝れへんのや」  至極健康そうに見えるんだが。それよりそれが本当なら俺は寝顔を見られ、さらにはこんな微妙な寝言を聞かれたのか! 「……深い衝撃のことです。あと……」  霞のことを見ていたらもう一つのことが浮かんだけど、絶対違うので言うのを止めたのだが。 「ちょ、途中で止めんてぇな。そこまで言われたら気になるやん」 「分かった。全く関係ないけど、俺が居た世界に人馬で競争する種目があって、そこで同世代の中で一番速くて、強くて、運のいい馬になった馬の名前だよ」 「なるほどなぁ。納得できたわ。ありがとう。じゃあウチ、その『でぃーぷいんぱくと』になれる様に訓練行ってくるわ。一刀!応援してなー」 「さて、風もお暇いたしますー。大丈夫ですよ、風はお兄さん一人で必要十分ですから」  最後の風の一言はよく分からなかったなぁ。 # # # 廊下 「げっ、万年発情男……。死ねばいいのに」  いきなりご挨拶だな。目の前には書簡を持った桂花と稟の姿が。 「稟、おつかれ。重そうだね。部屋まで運ぼうか?」 「いえ、この程度なら一刀殿の手を煩わせる必要もありません。ところで一刀殿は顔色が良いですね」 「あぁなんか知らないけど急に休み貰ってね。さっきまで庭で昼寝をしていたんだ」 「あぁ、そうでしたか。健康そうで良かったです」 「いい加減、私を無視するのを止めなさいよ」 「ん?なんだ挨拶なくて寂しかったのか?」 「バッ、違うわよ!誰があんたなんかの挨拶を欲しがったのよ!ただ貴方に聞きたいことがあったから仕方なく声を掛けただけよ」 「聞きたいこと?桂花が珍しい。なんか天の知識が必要なのか?」 「まぁ強ち間違ってはいないわね。『そばっと』ってどういう意味?何も聞かずに答えなさい」 「ソバット?ソバットって格闘技の名前だったような。って桂花お前もなのか?なんなんだ今日は、皆いきなり……」 「黙りなさい。何も聞かずにといったでしょう。それより他には意味ないの?美しいとか溢れる知性とか」 「はぁ?……すまん俺はそれしか知らない」 「ふざけないでよ!なんなのよ、これじゃただの時間の無駄じゃない!それより私が格闘技ですって。春蘭じゃあるまいし……」  怒鳴った後ブツブツと呟き始めた。何を言っているのか全然聞こえない。 「すいません、一刀殿。どうか気になさらずに。ところで私も聞きたいのですが、『いんてれくちゅある』とはご存知で?」 「やっぱり稟もなの?インテレクチュアルは知的な人とか知性を働かせるといった意味だね。うん、稟にぴったりな言葉だ」 「今日はそういった日だと諦めたほうがいいと思います。では私はこれで。あっ、そういえば華琳様が話があるから部屋に来いといってましたよ。 それではありがとうございました、桂花行きましょう」 「死ね!私の時間を無駄にして。ち●こもがれて死ね!」  結局桂花は何に怒ってたんだ? # # # 覇王の間 「ふふふ、私の仲間になったら世界の半分をくれてやろう」 トントン 「華琳、俺だけど」 「一刀?入りなさい」  華琳の許可を得て部屋に入る。すると華琳だけではなく春蘭、秋蘭の双子も居た。 「なんか俺に用って聞いたんだけど」 「ええ、そうよ。まぁそんなに急ぎではないからゆっくりしていきなさい。秋蘭、お茶をお願い」  さっと立ち上がりお茶の用意をし始める秋蘭。やはり絵になる。それに対し姉は……。 めっさそわそわしてますが。なんで?こっちをチラリ。そわそわ。華琳をチラリ。そわそわのくり返し。 そしてその姿をサディスティックな笑顔で見ている華琳。いやー。今日は不思議な日だと思ってたけど、普通の日じゃん。  と思っていたらお茶の用意が終わったらしい。秋蘭がこちらにやってきた。 「どうぞ。ふふっ、今日の姉者は可愛いだろう。昨日からなんだ」  満面の笑みでお茶を渡してくれる秋蘭。やっぱり普通の日だ。 「ふぅ、美味しい。秋蘭ごちそうさま。それで華琳、用って何?」 びくっ!  ……俺華琳に尋ねたよな?何で春蘭がこうも反応するんだ? 「ふふ、まず私より先に春蘭が貴方に用があるらしいわよ。ね、春蘭?」 「か、華琳様〜」 「あぁ、姉者、なんて可愛いんだ」 「駄目よ、さっさとしなさい。この後に私と秋蘭が控えているんだから」 「わ、分かりました〜。ほ、ほっほ、北郷!良いか黙って聞け!『ぴゅありちー』だ!」  ……うん。 「だ、黙ってないで答えろ!『ぴゅありちー』!」  なに?繰り返せばいいの? 「ピュアリティ」 「声が小さい!『ぴゅありちー』!」 「ピュアリティ!」 「違う!『ぴゅありちー』!」 「ぴゅありちー!」 「よし、なかなかだ!」  ……絶対何か違うと思うんだけど。華琳と秋蘭を見ると笑いを堪えている。 「華琳様!これでよろしいですよね!北郷も『ぴゅありちー』と言いました!」 「春蘭、違うでしょ。一刀に『ぴゅありてぃ』を言わせるんじゃ無くて、意味を聞くのではなくて?」 「そうでした!北郷、貴様!さっさと答えないから華琳様に怒られたではないか!」 「俺のせいなのか?」 「そうだ!だいたい、いつもお前は……」 「姉者、また脱線しているぞ」 「はっ、おのれ北郷!もう何も言わずさっさと『ぴゅありちー』の意味を教えろ!」 「ピュアリティでいいんだよな?それなら清らかとか、純粋って意味だと思ったけど」 「じゅ、純粋。き、貴様私のことを純粋バカって言いたいのか!」 「なんで春蘭になるんだよ?それに春蘭だったら俺は一点の曇りも無く華琳に仕えているって考えるけど」 「そ、そそ、そうか!それなら良いんだ。ふんっ分かっているじゃないか!」 「姉者終わったか?では北郷、私も尋ねたい。『くーるびゅーてぃ』とはなんだ?」 「結局皆から聞かれたな。えーとクールビューティね。これはクールとビューティの二つに分かれるんだけど、 クールが冷静でビューティが美しい。だから冷静で美しい人を指す言葉だね」  まるで秋蘭の様にとは華琳の手前言わない。……秋蘭の様に? さっきも同じようなことを思ったけど……確か、そうだ沙和の時!あと稟の時もそう思った。  イヤ待て。今日一日皆から言われた言葉と相手を思いだせ。……皆俺が常日頃から思っているイメージそのものじゃないか! あっ、秋蘭照れてる。可愛いな……じゃなくて!  そういえば、凪が変わりないかとか、季衣が大丈夫なのかとか、稟が顔色を伺ってたな。  もしかして俺が知らないうちに何か起きて皆に言ったんじゃないのか?  一つ一つのパーツがはまっていく。だから皆意味を聞いて喜んだんだ。  拙い。ここで気がついたのが何より拙い。残っているのは華琳。そしてさっき華琳は俺に用があると言っていた。 拝啓、べーブ●ルース殿。私も今予告ホームランが打てそうです。  そして一人の少女が口を開く。 「あら、春蘭も秋蘭も用事は終わったのかしら?では私の番ね。一刀、私も天の世界の言葉に興味があってね」 「っかっかかかっかかかかか華琳……。お腹痛い」 「嘘おっしゃい。そうそれでね、私が聞きたいのは『まいごっでぃす』って言葉なんだけど」  ちくしょー完璧に発音しやがった。「え?まいごです?」なんて逃げ道ねぇじゃないか。 って俺こんな恥ずかしい言葉を華琳に言ったのか?なにがあったんだ俺! 「さぁ、早く教えなさいよ。何か気がついてはいけないことに気がついたようだけど」  ふふふっとドSスマイル。俺は言うしかないのか、無いよね。 「そそ、それはですね……」 「それは?」 「私の女神様って意味です」  あー言った。顔から火ぃ吹きそう。なんて言う羞恥プレイだよ。 「そそ、そう。そう言う意味なのね。分かったわ。もう下がりなさい。休日に呼び出してすまなかったわね」  あれ?予想外?もっと弄るか、いつ私は貴方の物になったのかしら。とか言われると思ったのだが。恐る恐る華琳の顔を伺う。 「なっ、なに見ているのよ!さっさと下がりなさい!」  顔真っ赤。しかも両手がそわそわしている。可愛いなぁ。やっぱ華琳は俺の女神だわ。 「分かった。じゃあね、俺の女神様」 それから暫く皆が優しかったり、急ににやけていたのは内緒です。 了 おまけ1 一刀君が言った言葉。あくまで作者のイメージです。 華琳 my goddess(oh my goddess!) 春蘭 purity(華琳に対してな意味で) 秋蘭 cool beauty(彼女はこれ以外ないでしょう) 桂花 not so bad(一刀君はこういったはずですが、桂花が聞き間違えました。一刀君秘技、ツンデレ返し) 季衣 cute 流琉 lovely 霞 deep impact(服装、馬的な意味で) 凪 faithful(フェイス0だと魔法が効かないんだよ) 真桜 marvelous(おっぱい的な意味で) 沙和 pretty 風 kitty(決して悪い意味で捉えないで下さい) 稟 intellectual おまけ2 本来の意味的には華琳にぴったりです。 「私が聞きたいのは『みゅーず』って言葉なんだけど」 「……えっ?石鹸。……ぶふぁっ」 ミューズ=詩歌・音楽・学問・芸術などあらゆる知的活動を司る女神 おまけ3 大人の事情。 「おっ一刀じゃないか?体は大丈夫なのか?」 「おー華佗、久しぶり。体?別になんともないけど」 「そうか、それならいいんだ。それより『勇●王』ってなんだ?意味は分かるが、なんかな?」