「やあ、三人とも練習お疲れ様、ちょっと息抜きで麻雀やらないか?」 「麻雀?うん、いいよいいよやろうやろう」 「姉さんにも、人和にも、一刀にも絶対負けないんだから!」 「まあ、たまにの息抜きにいいでしょう」  ガラガラガラガラガラ 「よし、親は天和だな。切ってくれ」 「うん、えーとね。あっ、上がってる♪」 「えーーーーーーー!?天和が"天和"!?」 「さすが姉さん、相変わらずの運ね」 「きー、さっさと次いくよ!」 「あはは・・・さすが数え役満しすたぁずの長女」  ガラガラガラガラガラ 「親は変らず天和だね。さすがに二度連続はないよな」 「うーん、残念。二度連続はなかったみたい」 「あはは、次は地和だよ」 「はいは〜い。一刀届かないー。牌取ってー」  はいはい、と地和の向かいにある人和の山から一枚取り、地和に渡しながら、  手元にあったお茶を一口含む。 「ありがと♪一刀。えーと、来たわ!!"地和"♪」  ブフーーーーー。お約束通りお茶を吹く一刀に天和は声をあらげ、 「きゃー、一刀きたない〜。ひどいよ〜」 「ゲホッご、ごめ、コホ。え、地和が"地和"!?」 「うん♪やったね☆わたし☆」 「すごいね〜地和ちゃん」 「相変わらず姉さん達は出鱈目な」 「あはは・・・(長女、次女と続けて・・・恐ろしい子達!?まさか人和も・・・)」  ガラガラガラガラガラガラ 「!?(こ、これは!?一索が三枚、九索が二枚、白が二枚、発が三枚、中が三枚・・・)」  配牌を見た一刀は驚愕した。もしこれで、地和が九索か白を捨てれば"人和"。  自分が九索か白をツモれば"地和"。"人和"と"地和"は役満止まりだが、  二順目以降に、白をツモれば"大三元""四暗刻"のダブル役満。  そして、もし、三人のうち誰かが九索を捨てた場合。  それは、"混一色""混老頭""対々和""三暗刻""字牌2""小三元"の数え役満である。 「(ふふふふふふふ・・・来た!俺の時代が来た!数え役満しすたぁずに数え役満・・・!  これが俺の使命だったのか!!!)」  訳の分からない事を言っているが、超ハイテンションな彼には冷静に考えれる脳みそは残っていない。 「さ、さ、さ、さ、さあ、地和が親だよよよよ。」 「?うーん、これいらなーい」 「("地和"も惜しいが、今は数え役満だ!頼む来るな!)」  それは九索でも白でもない、ただの四萬。 「うううううーん。なかっ中々いい牌がこないななな」  どうにか冷静でいようとするが、どうしても手が震える。 「(おちっ落ち着け。まだ慌てる時間じゃない。CoolだCoolになれ北郷一刀!!)」 「あっ一刀さん、それ当たりです」 「・・・・・・・・・へ?」 「ごめんなさい。"人和"です」 「人和さんが"人和"ですか・・・」 「さすが人和ちゃん!」 「むむ、今回は人和だったか」 「ふふ、悪いわね姉さん達。それにしても私達三人が麻雀をすると中々二順目が回って来ないわね」 「そうだね〜昔はこれで食べてたんだけど〜みんな私達とは打ちたくないって直ぐ逃げちゃうもんね〜♪」 「あは、あははは。(咲ちゃん俺に力を、アカギさん俺にあなたの読みを、哲さん俺にあなたの技を・・・)」  別世界に旅立っている一刀だったが、天和達の発言により元の世界に戻される。 「あっそういえば、負けた時の罰を決めてなかったよね〜♪」 「あーそうね!お金はさすがに可愛そうだから、体で何かしてもらわなきゃ☆」 「勝負は非情なのです。一刀さん覚悟してください」 「誰か助けてぇーーーーーーーーーーー!!!!」  夜はまだまだ長い  *軽く麻雀の説明    "天和"  麻雀における役のひとつ。親の配牌の時点で既に和了の形が完成している状態。役満。  麻雀牌136枚から無作為に14枚選んだものが和了の形になる確率はおよそ33万分の1である。天和恐るべし  "地和"  麻雀における役のひとつ。子が配牌時点で聴牌(テンパイ)した状態で、かつ第1ツモで和了することで成立する。役満。  ただし、第1ツモの前にチー・ポン・カンが入ると無効になる。地和恐るべし  "人和"  麻雀における役のひとつ。子が配牌で聴牌(テンパイ)した状態で、最初の自分のツモより前に捨てられた牌でロン和了した際に成立する。  今回の場合、自分より前の一刀が捨てた牌によってロン。  様々なローカルルールがあるが、ここでは有効そして、役満である。人和恐るべし  *